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脱毛クリニックが「またも破産」で得るべき"教訓" アリシアクリニックの次はどこが永久に消える?

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 17時0分

同クリニックは大規模な集客を試みている。それは成功の方程式が成り立っているタイミングまではうまく作動した。有名なタレントを起用した各種メディアでの宣伝戦略は集客に寄与した。そのメディアは、スマホ越しのSNS広告だけではなく、テレビなどのオールドメディアにも手を広げていた。

広告を出さなければ集客は難しい。そして、なんとか費用を抑えようとすると、売り上げが落ちてしまうため、方向を修正することも難しかった。

また、一般的にクリニックではキャンペーンで一時的に顧客が増加したとしても、予約の取りにくさにより、せっかく獲得したリードを無駄にしてしまうケースがある。

経営者からすると、せっかく潜在顧客を呼べたのに、現場では対処できない状況にある場合がある。人気の時間帯やエリアで予約不可が続けば、誰だって不満を抱いて離脱するだろう。

また、クリニックでは、お客が予定していなかった追加料金の発生がある。これは景品表示法にもかかわるが、広告で提示された料金以外に追加費用が発生し、さらにそれを断れずに契約すると、顧客の怒りや不満が爆発する。

それはもちろん口コミや客数の減少につながる。さらには、広告で期待を高めるほどに、その期待された効果を得られなかった場合、不満を抱き、他のクリニックに顧客が流出するケースも目立つようになる。

脱毛サロンの相次ぐ破産に、得るべき教訓とは?

アリシアクリニックだけの話ではなく、他クリニックの破産や廃業・閉店を含む事例から教訓を引き出す。

私たちは、当然であるが、短期的な経営ではなく、永続的で、持続可能な経営を目指している。しかし、急速な拡大を目指したい心も有している。

その際に広告に偏重した経営モデルはリスクが高いといえる。実は、こう書きながらも酷なことを述べていると理解している。広告を使わなければ集客できない業態が多く、その実情は理解している。ただちに広告をやめれば売り上げが激減する業態は多い。

ただ、それでもなお、安定した収益基盤を築くためには、顧客からのリピート利用を得るなど、持続可能な成長戦略を実現する必要があるのは間違いない。

また、顧客側とすれば、利用する際には支払い方法において、かなり割引のメリットがありつつも、同時に使用不可になるリスクが内包されていると理解することも重要だろう。

また、事業者側もキャッシュフロー改善の意図はわかるが、利用者に前払いを、強く進めない態度も重要になってくる。この意味で、利用者保護を業界として打ち出す必然性があるだろう。そうしないと、利用者は怖くて、しかたがない。このままだと、顧客がサービス利用や前払いに慎重になるケースが増えるだろう。

正しいルールと市場競争管理が必要

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