2025年も東証改革による日本株上昇を期待する 資本コストや株価を意識した会社は上々の成果
東洋経済オンライン / 2024年12月15日 14時30分
そして今回、11月21日に新規に追加されたのが以下の16社だ。上記の①では、旭化成、花王、富士通、ANAホールディングスの4社。②では、大林組、双日、コニカミノルタ、日本特殊陶業、朝日インテック、リコー、アシックス、西武ホールディングスの8社。③では、TSIホールディングス、チェンジホールディングス、中部鋼鈑、山陰合同銀行の4社。合計で16社、2月からの分や、本文で示しているSHIFTをあわせると、計43社となる。
これらは、東証の「事例集 プライム市場編(2024年11月21日改訂)」のPDFファイルで読めるので、読者の方々もぜひ確認していただきたいが、今回(11月21日)、東証は『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』を要請した2023年3月から今年9月末までの株価推移(グラフ)も公表している。
それによると、具体的には青色が「開示済み」で+27.89%(1310社)、水色が「検討中」で+14.03%(124社)、グレーが「未開示」で+13.99%(197社)。赤色がお手本となる投資家目線の事例集掲載企業(43社)だが、株価のパフォーマンスは+49.95%だ。お手本として取り上げられている企業とその他の企業では、圧倒的な差になっているのがわかる。
一方、東証は「投資者の目線とギャップのある事例」では、18ページにわたって、国内外の300社を超える投資者のヒアリングを元にまとめている。これから改革に取り組む、あるいは取り組んでいる企業は、この事例を参考にして、取り組みの状況に応じて生じやすいギャップ(要はダメな開示)と見比べて、自社(各上場会社ごと)の取り組みを点検することから作業を始めることになる。
東証による「3つの区分」とは?
東証によると、ダメな開示には以下の「3つのレベル」があるとする。
- レベル1は、現状分析や取り組みの検討が十分でない状況
- レベル2は、現状分析や取り組みの内容が投資者に評価されていない状況
- レベル3は、投資者から一定の評価を得たうえで、さらなる向上が求められる状況
最悪なレベル1の具体例は、現状分析・評価が表面的な内容にとどまる。取り組みを並べるだけの開示となっている。合理的な理由もなく、取締役や社外取締役などが対話に応じない。
レベル2の具体例は、現状分析が投資者の目線とズレている。目指すバランスシートやキャピタルアロケーション方針が十分に検討されていない。目標設定が投資者の目線とズレている。課題の分析や追加的な対応の検討を機動的に行わない。
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