「誰にも見えていた」機会を掴む人と逃す人の違い 人生の点と点をうまくつなぐ人がしていること
東洋経済オンライン / 2024年12月17日 13時0分
予想外のちょっとした情報に気づき、つないでいくことは、セレンディピティ・プロセスの重要なステップだ。
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このステップでは、「おや、これはいったいどういうことだ?」と何かに気づき、その意味するところに思いを巡らす必要がある。
この話を、別の話とどうつなげるかを意識する
1989年のある日、アラバマ州の理容師フィル・マクロリーが仕事を終えて店の床を掃いていたときのことだ。
テレビで、タンカーの原油流出事故のニュースが流れた。原油がラッコの体毛に絡みつき、ボランティアはそれを洗い落とすのに苦労している、というのだ。
ラッコの体毛が流出した油をがっちりとらえている様子を見たフィルは、今まさに自分が掃いている人毛が原油吸着材として使えるのではないかと思いついた。そこで集めた毛をナイロンタイツに入れて、どれだけ油を吸収するか試してみた。
こうして、流出した原油の回収に人毛を使うというアイデアが生まれ、人毛を使った吸着材が製品化されるようになった。それはフィルが「点と点をつないだ」からだ。
本能的に点と点をつなぐ人は他にもいる。
フリーダー・ストロホイヤーはハイデルベルクの有名なコーヒーショップのオーナーだ(私にとっては、高校時代に雇ってくれた最初の上司でもある)。
フリーダーは誰かと話すときはいつも、相手の話を聞きながら、それが自分や周囲の人のしていることとどうつながるかを考えていると話してくれた。
銀行員から倒産しそうな会社があると聞くと、そこを買収しそうな人は誰かと考える。
隣人から引っ越しを考えていると聞くと、最近自宅を売りに出していると言っていた人はいないかと考える。
そしてもちろん、誰かと話すときには、自分が何に興味を持っているかを伝える。
点と点がつながりプロジェクトが生まれる
するとたいてい(フリーダーはそれを偶然だと思っているが)、相手も何らかの情報を持っていて、話がつながるという。漠然と機会を探しているようだが、ときとしてセレンディピティに結びつくこともある。
こうしてフリーダーは大勢の仲間と出会い、そこからたくさんのプロジェクトが生まれた。
純粋に誰かと会話するのが楽しいというのもあるが、常に点と点をつないでいることが自らの成功の一因だと考えている。
この能力はさまざまな場面で威力を発揮する。たとえばヒューストン出身のピート・マンガー(仮名)のケースだ。
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