1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

和田秀樹「悪意の口撃に乱されない感情の整え方」 感情コントロールには基本的な技術がある

東洋経済オンライン / 2024年12月17日 16時0分

神経症の治療法として世界中に広まっている森田療法には、「感情の法則」と呼ばれる考え方があります。詳しく説明すると専門的になりますが、その中に一つだけ、ものすごくシンプルなものがあります。

「感情は放っておけばだんだん収まってくる」という法則です。不快なことを気にすればよけいに不快な気分になりますが、感情というのは放っておけばそのうち静まってくるのです。

「腹が立つ」……放っておく。

「悔しい」……放っておく。

「憎い」……放っておく。

森田療法の基本的な考え方は「あるがまま」ですから、腹を立てることも悔しがることも、他人を憎いと思うことも、あえて否定はしません。どれも感情の仕業ですから、あるがままになっておけばいいと考えるのです。

感情的になってしまった「そのあと」

実際、「怒るな」といわれてもムリです。「悔しがるな」「他人を憎むな」、あるいは「嫉妬するな」「疑うな」「悲しむな」、すべてムリです。

理性では、そういった感情が少しもプラスにならないとわかっていても、わたしたちはつい感情的になってしまいます。問題はそのあとです。

自分が感情的になったとき、そのイヤな感情にこだわればよけいにイヤな気分になってきます。たとえば他人のちょっとした物言いや態度に腹を立てたとき、「この人はいつもこうだ」とか「わたしをバカにしているんだ」と考えれば怒りはしつこく居座ります。

「わたしがあんな人にバカにされる理由はない」と思えば、怒りはさらにふくらんできます。すると、ささいなことにも腹が立ってきます。急ぎの仕事を回されただけで「なんでわたしが」と不快になります。頼みごとを断られれば「みんな自分勝手だ」と恨みます。これが、「感情的になっている」状態です。

一方の「腹が立つ」とか「悔しい」「憎い」といった気持ちは、単なる感情です。わたしたちは感情の生きものですから。そんなものはごく自然なこころの動きなのです。

和田 秀樹:精神科医

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください