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韓国「弾劾」で次期大統領選への攻防スタート 弾劾を審査する憲法裁判所の審理時間が焦点

東洋経済オンライン / 2024年12月18日 15時0分

だが反省のない尹氏の談話が出た後、これ以上はかばいきれないとの空気が一気に強まった。

もう1つは韓氏を支持するグループ以外の、「親尹」と言われる大統領支持派や中間層の議員らの反応である。

野党勢力は、朴槿恵氏に続き尹氏も罷免されるという不名誉な歴史を残せば、「やはり右派政権には任せられない」との思いを有権者らにアピールできるとして、弾劾で現職大統領を引きずり下ろすことに強いこだわりをみせた。

与党は当然、それを避けたいところだが、開き直る尹氏の態度に、「弾劾可決」を叫んで街頭に繰り出す市民たちの数は増すばかりで、勢いは衰えそうにない。

厳しい状況に包まれる中、親尹派の一部からも、今後の展開を考慮すれば、むしろ弾劾訴追案が可決された方がよいのではないか、との声が漏れ始めた。

尹氏が談話で徹底抗戦を表明した限り、早期の辞任は見込めない。韓代表らは、2025年2月か3月に尹氏が辞任し、5月か6月に大統領選を実施するという腹案を野党側に示したが、それよりは弾劾訴追案を可決し、憲法裁判所に審理を任せた方が、立て直しに向けた時間をかせげるかもしれないとの考えだ。

韓氏グループの造反に反発する姿勢を見せ、尹氏を守ろうとしたことを強調しつつも、事実上は可決を認める格好となった。

「弾劾」審理、長期化の見方も

法案の可決後、憲法裁判所は180日以内に審理の結果を出し、罷免となれば60日以内の大統領選となる。そのため韓国では、憲法裁判所が決定を出すまで、どれぐらいの時間を要するのかが注目されている。

朴槿恵氏の場合、約3カ月の審理の末に罷免が決まった。今回、野党側は弾劾理由を、「非常戒厳」を出した違憲性、不法性に集中させており、争点がはっきりしているため、審理にさほど長い時間を要しないのではないかとの見方が出ている。

他方、これとは逆の指摘もある。朴槿恵氏は国会の弾劾訴追を棄却するよう求める答弁書を憲法裁判所に出したが、審理には出席しなかった。これに対し、尹氏は審理に出て、これまでの談話で語ってきたような主張を延々と展開するとみられる。

元検察の同僚で弁護団を結成し、証人申請などを繰り返し、長丁場に持ち込むのではないかとの観測が出ている。韓国メディアが報じる専門家らの見解も、結果は罷免だろうとの見方が多いものの、審理時間については分かれている。

与党側が憲法裁判所での長い審理を望むのは、右派の体制立て直しのほかにも理由がある。野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表にかかわる裁判の判決が2025年5月中旬にも確定する可能性があることだ。

野党代表も「残り時間わずか」?

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