Tabio「消費者を陰謀論者扱いして炎上」の問題点 SNS発信では言い方が10割、正しいかではない
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 8時20分
靴下屋のTabioのX投稿が炎上
靴下屋を運営するTabioのXアカウントが謝罪文を発表した。
一般ユーザーが靴下屋にたいして、「現在の技術ならば破れないストッキングが生産できるが、商品を売るための破れやすいストッキングを意図的に作っている」(あくまで大意)といった投稿をした。
たいしてアカウントは<「破れないストッキング」は都市伝説、陰謀論の領域です。作れるんなら作っています>と投稿した。また同様の趣旨の投稿が他にもあった。
それに対して、「言葉遣いや態度が企業のアカウントとしてはどうなのだ」という趣旨の批判が相次ぎ、冒頭のとおり、謝罪文の公開となった。「弊社公式アカウントの投稿により、多くの皆さまにご不快な思いをさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます」とした。
これがことの経緯だ。
なお、そもそも同社のXアカウントには<靴下屋/Tabio/Tabio MENなどのブランドを運営するタビオ株式会社の公式アカウント。複数名で運用いたしております。(not広報) 靴下に関係のない事も呟きますのでご注意ください>と説明がある。
都市伝説や陰謀論といった言葉の定義が正しいかは別として、ゆるく運営しているということなのだろう。ほとんどの人たちは炎上の事実自体を知らず、むしろ謝罪することで謝罪そのものがニュースとなって拡散した。
ちなみに個人的には、そのような商品を作れたとしても、作らないのも自由であるはずで、議論の焦点が不明だった。そもそも騒いでいた人のどれくらいが靴下屋ユーザーだったのだろうか。
また、「自社商品を売るために、わざと劣化した商品を作っている」会社がもしあるなら、他社はすぐさまその領域に新規参入するだろう。その結果、より優れた商品が、劣った商品を駆逐するはずだ。
実際に現実はそうなっていないとすれば、コストが見合わないか技術的に量産することができない等の課題がある。さほどたやすくはない。それが自由競争社会というものだ。
企業のSNS利用と宣伝・広報
しかし一方で本件は、企業の宣伝・広報としては、改めていろいろと考えさせられる一件ではあった。
【SNSをするという選択肢が、炎上を招き入れる側面を持つ】
SNS登場前までは企業は一方的な発信だった。しかし、現在は企業も消費者とダイレクトに触れ合うことがよいとされる。そして接点=コミュニケーションの量が増えれば、おのずと事故の発生数も多くなる。
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