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奈良県「K-POP無料ライブ」批判への強烈な違和感 自治体のことは自治体で決めればいいのだが…

東洋経済オンライン / 2024年12月18日 8時30分

山下知事は、2023年に奈良県知事に就任したが、多くの公共事業を見直し、コスト削減、予算の効率的な活用を推進してきた人物だ。なお、山下氏は日本維新の会から初めて奈良県知事に当選しており、自民党系会派と対立することも多い。

今回の県議会での議論は、この対立構造が背景にあると思われるが、自民側から「予算の無駄遣い」と指摘されるという、皮肉な現象が起こっている。

県議会での議論はさておき、メディアで報道され、世の中に知れ渡ってしまったため、山下知事はXで説明を行わざるを得なくなったのだと思われる。ただ、X上でそれを行ったことが適正だったのかという疑問は残る。

そもそも、SNSで「韓国」は代表的な“炎上ネタ”だ。SNSの世界では、ネトウヨ(ネット右翼)と呼ばれる右傾的な思想の人たちの声が目立っており、韓国バッシングが起こりやすい。

今回の奈良県の話題は、まさに格好のネタだった。ネトウヨまではいかなくとも、SNSには反韓、嫌韓意識を表明するアカウントも多く見られる。

山下知事は、SNSの投稿にしては丁寧な説明を行っているのだが、どんな説明をしようが彼らには伝わらないし、多くの場合は逆効果になる。

昨年や今年の紅白歌合戦も、旧ジャニーズタレントが一組も出演しない一方で、K-POPアイドルグループが多数出演し、SNS上で批判を浴びている。

「大晦日の国民的な歌番組に外国人アーティストが多数出演するのはいかがなものか?」といった批判や、中高年層を中心に「よく知らないグループが紅白に出るのは違和感がある」という意見は、嫌韓、反韓の人たちに限らず、一定の共感を得ているようだ。

今回のライブ開催に関する、「歴史も伝統もある奈良県が、(日本的なイベントではなく)K-POPのライブを行うのか?」「県民にお金を回すことを優先すべきではないか」という声も、やはり一定の支持を得ているようには見える。

「お金のない日本の若者も」という一文も、全体の文脈を踏まえると理解はできるのだが、この部分が切り取られて、批判的な文脈と結びつけられて拡散されてしまう結果となった。

自治体のことは、自治体が決めればいい

K-POPに限らず、韓国の話題は、政治的な主張と結びついて拡散してしまうのだが、一旦そこは保留して冷静に考える必要があるだろう。

このイベントに意味があるのかないのかをちゃんと検証するのであれば、隣国に対するバイアスを一旦取り払って、客観的に行う必要がある。

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