靴下屋「"キレ気味"投稿で炎上」から得られた学び 過去には同アカウントの投稿が称賛されていたが…
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 14時0分
靴下ブランドを運営するタビオが、同ブランド公式Xアカウントにて“不適切投稿”をして炎上した。きっかけは、あるXユーザーの、破れないストッキングは技術的に作れるが、買わせるために意図的に作っていない――という趣旨の投稿だった。
【画像】炎上した靴下屋の“中の人”の「称賛されていたポスト」
靴下屋の公式Xアカウントは、12月13日に「何回も言うけど、『破れないストッキング』は都市伝説、陰謀論の領域です。作れるんなら作ってます」と投稿。
その後も「『そんな繊維でストッキングとか靴下作ったら、指飛ぶで?』っと。」など、数回にわたり、「破れないストッキング」に関する投稿を行ったが、一連の投稿に対して「高圧的」「男性目線」といった批判を受けた。
投稿は削除され、企業は不適切な投稿を行ったことを謝罪するに至った。
今回の炎上は、企業のSNS運用における初歩的な過失といってもいいのだが、同じようなことは、企業アカウントはもちろん、個人や団体のSNS運用でも起きてしまう可能性は十分にある。
過去に称賛された靴下屋の投稿
このたびの靴下屋の炎上を見ていくポイントは、主に下記の3点がある。
1. SNSアカウントの運用ガイドラインの策定と遵守
2. SNS上の批判やクレームにどう対応するのか?
3. 不満を抱えた顧客にどう向き合うのか?
企業が相次いでSNSアカウントを開設しはじめた2010年代前半頃は、ガイドラインが十分に整備されておらず、「中の人」(SNSアカウント運用担当者)の自己判断で運用が行われることが多かった。良くも悪くも属人的で、当時のほうが投稿内容に人間味はあったのだが、炎上することも多かった。
企業が、SNSを重要な情報発信ツールとして位置付けるようになるにつれ、ガイドラインや運用マニュアルが整備され、企業のマーケティング活動の一環として、ルールに基づいて運用されるようになっていった。
しかしながら、SNSの世界では、企業アカウントであっても「人と人とのコミュニケーション」という側面がある。形式的になり過ぎて、親しみが感じられないものになってしまうと、効果も薄れてしまう。
実際、過去の靴下屋のXでは、中の人が「個人的な意見」を投稿して賞賛を集めたことがある。
2021年に、同アカウントから、「靴下産業が3足1000円での販売デフォルトになったことで、国内工場が壊滅的となり、品質低下を招いた」といった投稿をし、「『最高品質』『こだわり』というお客様の選択肢を担保し続けるのが使命かなと思ってます(これは、私の私見ですが)」と締めくくった。
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