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在中国「ドイツ企業」に広がる先行き悲観の深刻度 消費マインドの冷え込みや価格競争激化を憂慮

東洋経済オンライン / 2024年12月19日 15時0分

ドイツの自動車産業や化学産業は中国市場への依存を深めてきた。写真は中国の展示会に出展したドイツ企業のブース(在外ドイツ商工会議所のウェブサイトより)

在中国ドイツ商工会議所は12月4日、会員企業を対象に実施した「企業景況感調査」の最新レポートを発表した。その結果からは、中国に進出しているドイツ企業の景況感が1年前よりさらに悪化し、多くの企業が2025年の事業見通しを引き下げている実態が浮かび上がる。

【写真】自動車用「電子/電気アーキテクチャー」で提携したフォルクスワーゲン中国法人と小鵬汽車の幹部

この調査は2007年から毎年実施されており、在中国ドイツ商工会議所の重要な情報発信の1つに位置づけられている。最新レポートでは2024年9月3日から10月8日にかけて、会員企業546社に聞き取り調査を行った。

6割が「中国経済は悪化」

レポートによれば、調査に応じたドイツ企業の60%が「2024年の中国経済は2023年より悪化した」と回答。2025年の見通しについては、同33%が「経済状況はさらに悪化する」と予想した。

それぞれの回答企業が属する業界の状況に関しては、「2024年に(業界のビジネスが)拡大した」との回答は15%しかなく、「2025年に拡大を見込んでいる」との回答も32%にとどまった。

一方、55%の回答企業は業界の状況が「2024年に悪化した」と答え、29%は「2025年も悪化が続く」と予想した。

「中国の消費者向けの製品やサービスを手がける業界は、足元の消費マインドの冷え込みを受けて、先行きをより悲観している」。在中国ドイツ商工会議所の華北・東北地区のエグゼクティブディレクターを務めるオリバー・オームズ氏は、財新記者の取材に対してそう述べた。

レポートによれば、調査に応じたドイツ企業の56%がビジネス上の最大の課題として「中国市場の需要低迷」を挙げた。課題の第2位には「価格競争の激化」が52%で続き、昨年トップだった「人件費の高騰」は33%で第3位に後退した。

中国企業の挑戦に焦りも

中国当局の規制関連の課題としては、政府機関や国有企業による「国産品の優先調達」を挙げたドイツ企業が29%と、2023年より8ポイント増加したのが目立った。また、「知的財産権の保護が不十分」との回答も26%に上った。

ここ数年、ドイツ企業は自動車やエレクトロニクスなどの分野で中国の新興勢力の挑戦を受けている。レポートによれば、調査に応じたドイツ企業の8%が、それぞれの業界において「中国企業がすでにイノベーションのリーダーだ」と回答。5年前の2019年の調査では、同じ回答はゼロだった。

さらに、回答企業の55%が「今後5年のうちに中国企業が業界のリーダーになる」と予想しており、中でも自動車業界(65%)、化学業界(61%)、機械業界(50%)などで比率が高かった。

(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は12月5日

財新 Biz&Tech

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