金融庁が乗り合い保険代理店の取り締まりを強化 ネクステージと「マネードクター」の検査も着手
東洋経済オンライン / 2024年12月19日 7時50分
金融庁が複数の保険会社の商品を販売する乗り合い代理店に対して、取り締まりを強化している。
【写真】中古車販売大手ネクステージの辞任した前社長、実は「顧問として残っている」
金融庁は9月以降、中古車販売店「ガリバー」を展開するIDOMや同業のグッドスピード(名古屋市)のほか、トヨタ自動車の完全子会社で直営ディーラーのトヨタモビリティ東京(東京都港区)に相次いで立ち入り検査を実施。
12月に入ると、東証プライム上場の中古車販売大手ネクステージに加え、「マネードクター」の名称で保険代理店事業を展開するFPパートナーへの立ち入り検査にも踏み切った。
ネクステージをめぐっては、過去に自動車保険の契約を捏造したり、保険契約を条件に車両価格を割り引いたり(特別利益の提供)といった不正行為が発覚。2023年9月には、不正に関する一部報道などを受けて、旧ビッグモーター出身の浜脇浩次氏が社長を辞任していた。
辞任した浜脇氏、実は「顧問に就いている」
ネクステージは当時、浜脇氏について「当社グループ各社のすべての役職から離れる予定」とIR資料で発表していたが、同社の社員によると現在も「顧問として残っている」という。
浜脇氏の処遇についてネクステージは「昨年12月から顧問として経営への助言などをしてもらっている」としている。
ネクステージの保険代理店としての収入保険料は、2023年11月期で191億円。そのうち4割程度は損害保険ジャパンが占めているもようだ。
損保ジャパンは、大手損保の中で実はネクステージと最も関係が深い。
というのも、2024年2月まで社外取締役を務めていた福島純子氏は、損保ジャパン(旧安田火災海上保険)の出身。さらに、同じく社外取である遠藤功氏は、損保ジャパンの親会社SOMPOホールディングスの社外取も務めているからだ。
役員だけではない。「損保ジャパンの営業担当者が、社員代行のような形でうちの代理店業務の多くを肩代わりしていた時期があった」(ネクステージ幹部)という声が漏れるほど、人的に密接な関係にあるようだ。
また損保ジャパンは、ネクステージの発行済み株式のうち4.38%(2024年11月時点)を政策保有している。
SOMPOはネクステージ株の保有比率を拡大
さらに12月4日、大量保有報告書を提出し、損保ジャパンとグループ会社(SOMPOアセットマネジメント)を合算した保有株比率が5.96%へ拡大したと公表した。
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