「任意継続VS国保」保険料は結局"どっちが得"か 定年退職後の賢い健康保険の選び方
東洋経済オンライン / 2024年12月20日 8時55分
ここでいう年収とは、退職前の年収ではなく、今後1年間の収入見込みで、「家族の扶養となる日以降1年間の収入」のことをいいます。つまり、退職前の収入が高くても、扶養に入れる可能性があるわけです。なお、収入の中には年金や失業手当などの給付も含まれるので、注意が必要です。
また、家族が加入している健康保険組合によっては、独自に追加の条件があるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。なお、扶養に入る場合は、退職日の翌日から5日以内の申請手続きが必要です。
「国保」は前年所得が高い人は不利
家族の扶養に入れない場合は、①「退職する会社の健康保険を任意継続する」、または②「国民健康保険に加入する」のどちらかを選択することになります。
②の国民健康保険は、フリーランスや自営業の人が加入する健康保険というとイメージしやすいですね。この保険料は、前年の所得で計算されるので、退職してすぐに国民健康保険に加入すると、初年度の保険料は高額になる可能性があります。また、国民健康保険には「扶養」という概念がありません。
①の任意継続とは、退職したあとも希望すれば、引き続き最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。自己都合で退職した人も、定年退職した人も、この制度を利用できます。
保険料は退職時の給与によって決まりますが、会社が半分負担してくれていた分も、退職後は全額自分で払わないといけなくなります。つまり、保険料は会社員時代の2倍になる、ということです。
たとえば、会社員時代に給与明細に健康保険料が1万5000円と記載されていた場合、会社が負担してくれていた残りの1万5000円も自分で払うことになるので、保険料は会社員時代の2倍の3万円となるわけです。
これはかなりの負担に思えますが、保険料には上限があり、前年度の収入が高い人は、退職した年は任意継続のほうがオトクなケースもあります。
なお、任意継続の場合の保険料は、会社に確認すると教えてくれます。任意継続の大きな魅力は、会社員時代と同様に健康診断や人間ドックなどの費用補助等の保障を受けられることと、扶養家族が継続できるため、保険料が安くなる場合があることの2点です。
任意継続は「途中脱退」が可能に!
少し前までは、①の任意継続を選択した場合、「2年間の加入」というのが義務でした。しかし、2022年の法改正によって、任意継続の2年縛りがなくなり、いつでも脱退することが可能になっています。
この記事に関連するニュース
-
「106万円の壁」撤廃はメリットだらけ…手取りも年金も増える「新ルール」で得する人、損する人
プレジデントオンライン / 2024年12月18日 7時15分
-
所得400万円で年54万円の国保料は高すぎる! 「国民健康保険料」を合法的に下げる5つの方法
プレジデントオンライン / 2024年11月27日 10時15分
-
6つある「年収の壁」手取りに最も響く壁はどれ? 社会保険料の負担額を抑えられるかがポイント
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 9時0分
-
パート主婦も「手取り16万円アップ」の恩恵あり…年収の壁が178万円になった場合に知っておくべき損益分岐点
プレジデントオンライン / 2024年11月22日 7時15分
ランキング
-
1申請しないと「1円ももらえない」年金の"正体" 要件さえ満たせば年間で約40万円もアップ!
東洋経済オンライン / 2024年12月20日 8時35分
-
2カット野菜「100円の壁」維持に限界 キャベツ高騰の影響のほかにエネルギーコストや人件費が上昇
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月20日 17時3分
-
3吉野家はなぜ、「カレー」と「から揚げ」の専門店を始めるのか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月20日 8時10分
-
4日本郵便、ヤマト運輸を提訴へ…薄型荷物の配達委託見直し巡り賠償求める方針
読売新聞 / 2024年12月20日 20時8分
-
5シャープ、ソフトバンクに堺工場の一部売却 約1000億円
ロイター / 2024年12月20日 18時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください