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愛犬の「適切なふるまい」に必要な"しつけの法則" "お座り"より先に教えたほうがいいこととは?

東洋経済オンライン / 2024年12月20日 9時0分

そうして社会化期のうちから少しずつ慣らしていくのです。トリミングサロンに行くのは月に1回ほど、動物病院となると年に1回くらいです。

近頃は、子犬を対象としたパピーグルーミングを実施しているサロンも増えてきています。飼い主さんが主体的に動き、社会化期のうちから慣らしておくことが大事なのです。

「混合ワクチン接種が終わるまでは、子犬は家の外に出してはいけない」など、ちまたで広まっている飼い方についてもお話しします。

まず、地面を歩かせたり、ほかの犬と接触させたりしない限り、病気がうつる心配はありません。むしろその間、家だけで過ごさせることのほうが問題です。

先に申し上げましたが、犬の社会期は12週齢までなので、ワクチン接種が終わってからだと、とっくに社会化期は過ぎています。そこから初めて家の外に出すようでは外の環境に適応しづらくなってしまうのです。

ワクチン接種が終わる前から、カートやキャリーケースを利用して、少しずつ外の環境に慣らしていくようにしてください。

飼い主さんから見て、問題行動と思えるものの多くは、“犬の行動欲求を満たせていないこと“から生じています。日頃から愛犬の行動欲求を満たしていないようでは、しつけを通した学習をすることはできません。

一緒に遊んだり、小型犬でもしっかりお散歩をさせたり、身を隠せるような寝床を用意したりするなど、犬の特性を理解したうえで安心して過ごせる飼育環境を整えてほしいです。

人と犬の間に上下関係が必要だと考えられていた頃は、人にとって望ましい行動を無理やりさせたり、望ましくない行動には体罰を与えてやめさせたりといった方法でトレーニングがなされていました。

しかし、最近の研究では、ほめてご褒美を与えるトレーニングのほうが効率的であることがわかってきています。

してほしくない行動ではなく、何をしてくれたらうれしいかを考え、望ましい行動をとったときはほめてあげる。例えば、お散歩で犬がリードを引っ張ることを叱るのではなく、飼い主に歩調を合わせてくれたときにほめてあげる、といった具合です。

「動物愛護」と「動物福祉」は違う

動物の幸せを考えるうえで押さえておきたいのが、「動物愛護」と「動物福祉」といった考え方です。

「動物愛護」の主体は人間で、かわいい、かわいそうなどの感情からくる主観的なもの。一方の「動物福祉」は動物が主体で、幸せな状態を維持するために科学的、客観的に評価することが重要という考え方になります。

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