「年末年始の株価は上がりやすい説」検証した結果 1949年からのサンタクロースラリー期間のデータ
東洋経済オンライン / 2024年12月20日 7時0分
年末から年始にかけて、株式市場にはよく知られる2つのジンクスがあります。1つ目は「サンタクロースラリー」で、年末に株価が上がりやすい現象を指します。もう1つは「1月効果」で、新年に株価が上昇しやすいとされるジンクスです。
これらは日本だけでなくアメリカ市場でも広く知られています。しかし時代の移り変わりとともに変化するジンクスもありますし、今回はこれらのジンクスが今でも通用するのか、検証してみました。
サンタクロースラリーは、クリスマスイブの日にサンタが投資家にプレゼントを届けてくれるという連想から名付けられています。クリスマスの日の25日から年末まで投資すると、株価が上がる傾向があるため、投資家が儲かりやすいというものです。実際に日経平均株価を使って確認しました。
サンタクロースラリーは今でも通用する?
次の図は東証が第2次世界大戦後に再開した1949年からのサンタクロースラリー期間での株価騰落率を見たものです。
2023年(図の〇)の棒グラフは0.9%の値を示しています。これは昨年(2023年)のサンタクロースラリー期間の日経平均株価が0.9%上昇して、サンタクロースラリーのジンクスどおり上昇したことを表しています。赤線はゼロのラインなので、棒グラフがこれより下にある年はジンクスに反して株価が下落した年です。
確かに、ジンクスに失敗した年も見られますが、回数は多くありません。ジンクス通り株価が上昇したのは55年あったので、約75%の勝率(55年÷東証再開以来の年)で上昇する傾向がありました。
また、2000年以降に絞った近年にかけての期間でも71%の高い勝率で上昇する傾向が見られました。サンタクロースラリーは今でも通用するジンクスと言えそうです。
なぜ、サンタクロースラリーが起こるのでしょうか。これにはいくつかの説がありますが、最も重要な理由は外国人投資家のクリスマス休暇に関するものです。クリスマスにかけて休暇に入る外国人投資家は少なくないのですが、株価の動きに不安が大きい銘柄に投資していた場合、休暇前に手仕舞っておこうとする傾向があります。
クリスマス前にリスクを抑えるために保有している銘柄を売りがちとなり相場が下落しやすいため、その反動で、クリスマス以後は、株高の傾向があります。
「1月効果」のジンクスは有効か?
次に、2つ目のジンクス「1月効果」はどうでしょうか。1月効果とは、1月は株高傾向があるというものです。東証再開以来、1月に日経平均株価が上昇した年は52回あり、70%と高い勝率(52年÷東証再開以来の年)でした。過去の長い期間で見ると1月効果はみられます。
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