「不幸嘆いた」40代無職独身が4児の父になるまで 「45歳で交際0日婚」「54歳で第4子」激動の10年
東洋経済オンライン / 2024年12月22日 7時40分
独りになった後藤さんは「なんて俺は不幸なんだろう」と感じることもあったという。
「相談相手」が「結婚相手」に
しかしその時期、前職での部下だった現在の妻と突然、交際0日で結婚することになった。
「もともと在職中から彼女の相談にはよく乗っていました。でも、お互い恋愛対象としては見ていなかった。妻からも『当時はこんなおっさんはありえないと思ってた』と、いまだに言われます(笑)」
退職後も相談に乗る関係は続いた。あるとき、お互いに「この人と一緒にいるときが一番楽しい」と感じている自分に気づき、その場で結婚を決めたそうだ。
「正直なところ、家で母を介護していたら結婚はできなかったと思う。母が亡くなったあとのタイミングだったから、私も妻も決断できた。
今思えば、母は身をもって私を結婚に導いてくれたのかもしれない。できれば孫の顔を見せてあげたかったですけどね」
当時は妻も大手進学塾を離職し、無職だった。
「婚姻届を出すとき、市役所の方に『おふたりとも本当に無職なんですか?』と2回確認されました。私も介護離職して、妻も仕事を辞めた直後だったので」
妻の両親と後藤さんは同世代。結婚はスムーズに了承されたのだろうか。
「それが一番心配でした。でも、意外とあっさり『娘が好きになったんならいいよ』と言ってくれて。義母は普段から『よく相談に乗ってくれる上司がいる』と妻から聞いていて、すでに信頼されていたようです。ただ、さすがに義父は最初『うーん』となったそうですが……最終的には、義母が『あの子が好きになった人なんだから黙ってなさい』と説得したそうです」
後藤さんと同世代の義母は、4人の子育てにおいても頼りになる存在。「今ではいい飲み友達」と言えるほど、良好な関係を築いている。
4人の子宝は「想定外」
結婚当初から子どもを望んでいたが、しばらく子宝に恵まれなかった。約2年間の不妊治療の末、第1子の女の子を授かることができた。後藤さんが48歳のときだ。
「不妊治療中は妻がつらい思いをしているのを側で見てきたので、妊娠がわかったときはふたりで抱き合って喜びました。でも、出産までは不安も大きかったので、無事に生まれたときは本当にほっとした。言葉で言い表せないほどの幸せを感じました」
その後も不妊治療を続け、2人目は男の子、3人目も同じく男の子を授かった。その後不妊治療はやめていたが、4人目の男の子を自然妊娠。現在、10歳・8歳・6歳・4歳のお子さんがいる。
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