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人気シェフが語る「LinkedIn」の実は侮れない威力 日本への進出や海外ホテル招待などに繋がった

東洋経済オンライン / 2024年12月23日 12時30分

上海の「W上海 ザ・バンド」でゲストシェフとして腕を振るった著者のグレース・チョイ氏(写真:筆者提供)

子供の頃から料理は好き。だけど、その料理を習った経験はないーー。秘書として3つの職場をクビになったあと、43歳で自分のレストランをオープンした香港人シェフのグレース・チョイさん。フェイスブックで100万人のフォロワーを持ち、日本だけでなく、海外でも招待シェフとして活躍するまでになった軌跡。

かつては尊敬されない職業だった

今年の秋、私は5つの高級ホテルにゲストシェフとして招かれ、中国にいました。一流ホテルから招待されるというのは、シェフでもなかなか経験できない名誉なこと。このような機会は、料理の腕を評価されるだけでなく、中国の美食の世界における新たなインスピレーションやコラボレーションへの扉を開くものでもあります。

【写真で見る】上海などの高級ホテルでチョイさんが振る舞った料理の数々

私の両親は70年以上前に上海から香港に移り住みました。私は、生まれは香港ですが、ルーツは上海にあります。ですので、こうしてゲストシェフとして上海に戻れることは、とても光栄な里帰りともいえます。

上海に滞在中、若い教授である親愛なる友人と再会することができました。彼には6歳になる、料理に対して並々ならぬ関心を持っている息子がいます。興味もあったので、私は友人に息子が将来シェフになりたいという夢を応援するのかどうか尋ねてみました。

すると、彼はとまどうことなく、息子の夢を全面的に応援すると答え、シェフは立派な職業であるだけでなく、芸術的な表現者でもあると強調しました。彼は、シェフとは肩書を超えた、創造性と技術の融合を可能にする職業だと理解しているのです。

シェフという職業が社会的に認知されつつあるのは喜ばしいことです。私の世代では自分の子どもがシェフになることを望む親は多くありませんでした。特に娘は。シェフに対するイメージはあまり良いものではありませんでした――タバコを吸いながら料理をして、儲けはすべてギャンブルに使ってしまう、というような。

Facebookのコミュニティはステータス

でも時代は大きく変わりました。

私の店は4席しかなく、世界一小さな中華料理店かもしれませんが、Facebookでは100万人以上のフォロワーがいます。ひょっとしたら世界で最も多くのファンを持つ中華料理店かもしれません。

中国料理界には女性シェフがあまりにも少ないので、私はとても幸運です。しかも、私は夢を追いかけるためにシェフになったのですから、過去のシェフのイメージとはかなり対照的です。

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