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「気分を重視する人」ほど"決断力"がある意外な理由 決断力不足2大原因、「基準に悩む」「失敗を恐れる」

東洋経済オンライン / 2024年12月23日 11時0分

こうして確認してみると、この5ステップは極めて当然のことが表現されていることが伝わるはずです。しかし現実では、このような机上の理論のままスムーズに意思決定できるとは限りません。なぜなら、この5つのステップの中には、その意思決定者が越えなければならない壁が2つ存在するからです。

第1の壁

基準となる「数値」を何にすればよいかがわからない

つまり第1の壁とは、「なにをもって決めるのか」が決められないということです。一般論として、ビジネスには正解がありません。ある基準で選ぶならAだが、別の基準で選ぶとBという結論になってしまう、といったことが当たり前のように起こります。ここで悩んでしまい、ステップ③以降の仕事に進めないケースが散見されます。

そんな人にとって重要なことは、「正解はない」ということを強く認識することです。何が正解か、など誰もわかりませんから、何を基準にするかという問いにも正解はありません。

そのため、意思決定者の主観、気分、好み、といったものが頼りになります。たとえば競合他社との比較が好みなのであればその方向で分析を進めるべきであり、自社の過去との比較が妥当だと考えるのであればその方向で分析を進めればいいのです。

第2の壁

いざ最終的な結論を出す場面で失敗を恐れてしまう

第2の壁とは、要するに意思決定すること自体への抵抗や恐怖心に関するものです。一般論として、決めるということはリスクを伴います。結果的に思わしくなければその意思決定は間違っていたと評価されることもあるでしょう。

ビジネスパーソンにとってそれはもっとも避けたいことのひとつです。いざ最終的な結論を出す場面で怖気付くことは、ある意味では人間らしいことなのかもしれません。

意思決定とは「人格」である

2つの壁を考慮すると、ご紹介した5つのステップのうち、もっとも簡単なのはステップ④の定量分析なのです。多くのビジネスパーソンは「定量分析による意思決定」の難しさは定量分析にあると思っています。しかし実際はそうではありません。先ほどもお伝えしたように、定量分析とは数学です。数字とロジックを使い、教科書的な解を導くだけ。ある意味でとても簡単な仕事です。

つまり「定量分析による意思決定」の成否は、ステップ②とステップ⑤、つまりご紹介した2つの壁を突破できるかどうかにかかっているのです。

私の「意思決定者の主観、気分、好み、といったものを頼りに基準を設定する」という考え方に違和感を持ったり、異論を唱える人がいます。私もビジネスパーソンでしたから、その違和感はよくわかります。

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