M-1創設者がバッテリィズに泣きそうになった理由 理論派が目立ってきたM-1に2人が与えたこと
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 18時38分
2番手令和ロマン。タイムスリップネタ。「やらない後悔より、やって大成功。~そりゃそうだろう」は最高だ。またもや横綱相撲だ。
そしてラストはバッテリィズ。
世界遺産を知らないエースのアホぶりはファーストステージと同じ展開。だが、令和ロマンがファーストと全然違う動きのあるネタで笑いをさらったあとで、ファーストと同じタイプのネタはマンネリ感があった。
やる順番はファーストステージ上位のものから選べる。バッテリィズは何番目を選ぶか迷っただろうが、やはり一番無難な3番を選んだ。ぼくもそうしただろうが、もしかしたらこれが敗因かも。まだファーストステージの余韻が残っているトップに出て、ぶっちぎりの差をつけておくべきだったかもしれない。
M–1をよみがえらせたバッテリィズ
結果はやはり9人中5票を獲得した令和ロマンの優勝。妥当なところだろう。古い話だが、ぼくは横綱大鵬と柏戸の戦いを思い出した。ものすごい馬力と突進力を持つ柏戸だったが、強さと共に柔らかさを併せ持つ大鵬に勝てなかった。今回のバッテリィズはまさにそれだった。ものすごい力を持っていたが、変化がなかった。
しかし、理論派が目立ってきた最近のM–1に原点の漫才をぶちこんできたバッテリィズ。彼らはM–1に新しい息吹を持ち込んでよみがえらせた気がする。M–1はまだまだ進化するに違いない。
6時半から10時10分まで3時間40分の長丁場。これはプロ野球、しかも延長ありみたいな放送時間は少々長すぎるのではないかと思ったが杞憂だった。水増し感なし、全然長く感じなかった。
今年もM–1はおもしろかった。
やっぱり漫才おもろいで!
谷 良一:元吉本興業ホールディングス取締役
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