EV参入の中国シャオミ「第2号モデル」の発売予告 中大型SUVの「YU7」を2025年6~7月に投入へ
東洋経済オンライン / 2024年12月24日 18時0分
中国のスマートフォン大手で、2024年3月にEV(電気自動車)事業に参入した小米(シャオミ)。同社が2025年に投入する第2号モデルが、SUVタイプのEVであることが明らかになった。
【写真】販売好調が続く第1号モデルのスポーツセダン「SU7」
シャオミは12月9日、SNSの公式アカウントを通じて新型SUV「YU7」の外観写真を公開した。第1号モデルのスポーツセダン「SU7」に続く新型車であり、2025年6月または7月の発売を予定している。
中国工業情報化省が開示した型式認定の申請書によれば、YU7は中国市場で人気が高まっているPHV(プラグインハイブリッド車)ではなく、車載電池だけを動力に使うBEV(バッテリーEV)だ。
年間販売目標を上方修正
同じく申請書によれば、YU7の車体サイズは全長4999mm、全幅1996mm、全高1600mmとテスラの主力SUV「モデルY」よりひと回り大きく、中大型SUVのカテゴリーに属する。車載電池は中国最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)から供給を受ける。
シャオミのEV事業は、第1号モデルの発売直後から市場関係者の予想を超えるペースで拡大してきた。
SU7の2024年7~9月期の販売台数は3万9800台に上り、直前の4~6月期の1.46倍に増加。10月には単月の販売台数が初めて2万台を超えた。シャオミは5月の時点で2024年の年間販売目標を12万台としていたが、11月にこれを13万台に上方修正した。
現在販売しているのはSU7だけだが、1台当たりの単価は4~6月期の22万8600元(約474万円)から7~9月期は23万8700元(約495万円)に上昇した。これは販売に占める上級グレードの割合が増えているためだ。
販売台数の増加と単価上昇の相乗効果により、事業収支も改善している。シャオミの決算報告書によれば、EV事業を含む「新規事業関連セグメント」の7~9月期の売上高は97億元(約2010億円)と、4~6月期の1.5倍強に増加。同セグメントの調整後純損益は15億元(約311億円)の赤字だが、損失額は4~6月期の18億元(約373億円)から約17%縮小した。
研究開発費を増額へ
「SU7の販売増加によるスケールメリットが、自動運転システムの研究開発費用や工場の建設コストを吸収し、EV事業の粗利率を押し上げている。しかも(工場の)生産能力にはまだ伸びしろがある」
シャオミの盧偉冰・総裁(社長に相当)は、11月12日に開催した7~9月期の決算説明会でそう述べ、先行きに楽観的な見通しを示した。
また、同社の林世偉CFO(最高財務責任者)は、EV事業の1月から9月までの累計支出額が約88億元(約1823億円)だったと明かし、研究開発費が大部分を占めたと説明。EV事業の粗利率が想定を上回っていることから、「2025年は研究開発費のさらなる増額を予定している」と、攻めの姿勢を強調した。
第2号モデルの投入により、シャオミ・カーの快進撃がさらに加速するのか、目が離せない。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は12月10日
財新 Biz&Tech
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