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「DV夫から逃げた妻」がその後20年近く苦しんだ訳 命がけで逃げた母と息子の「現在」

東洋経済オンライン / 2024年12月26日 12時0分

「息子のことは世界で一番好き。いろんなことを話します。息子は『俺が親だったらこうする』なんて話もしてくる。たぶん私に対して、恨みみたいなものもすごくあると思うんですけれど。私のほうも『親だって初めて親をやるんだから、わからないこともある。私はあなたにちゃんとしてあげられなかったこともあるけど、私は私で必死でしたよ』って言ったりして。今は、そういうことも話せるようになりました」

息子さんとの関係をここまで修復できたのは、なぜだと思うか? そう尋ねると、薫さんは「第三者の存在が重要だった」と答えてくれました。

ヘルプを出せる場所があることを知ってほしい

「もしずっと私と息子の一対一だったら、この関係は築けませんでした。やっぱり第三者が間に入って、子どもに状況を説明したり、私の悪いところを言ってくれたりしたから、ここまで来られたと思います。だから施設の先生には、ものすごく感謝しています。

カウンセリングも、たまたますごくいい人に当たりました。厳しいことを言われるので、泣きながら帰ったことや、もうやめたいって思ったことも何度もあるけど、続けてよかった。2年くらい前に終了しましたが、『いつでも帰ってきていいよ』と言ってもらっていて、『二度と来るもんか』と思いつつ(笑)、安心感があります」

いまDVを受けている人や、子どもを連れて逃げた親たちに、「本当に苦しくなったら、こういうところがある。いつでも電話していいんだよ」って伝えてあげてほしい。ヘルプを出せる場所があることを、多くの人に知ってほしい――。薫さんはそう話します。

近くにもし、ひとりで悩んでいそうな誰かがいたら、薫さんの言葉を伝えてもらえることを、筆者も祈ります。

<配偶者暴力相談支援センター> #8008(はれれば)
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html
<DV相談+(プラス)> 0120-279-889(つなぐ、はやく)
https://soudanplus.jp/

「こんな体験をした人は、他にあまりいないのでは」と思うお話を聞かせてください。ジャンルは問いません。よろしければ、おおまかな内容を、こちらのフォームよりご連絡ください。

大塚 玲子:ノンフィクションライター

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