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アメリカLNG事業で問われるメガ銀、損保の責任 現地住民が環境、人権への負の影響を指摘

東洋経済オンライン / 2024年12月26日 9時30分

リオ・グランデLNG事業では、合計5基のLNG液化供給設備が完成した際には年間で約2700万トンのLNG供給能力が生まれる。テキサス州では最大規模の施設となる。環境NGOのRANなどの調べによれば、同プロジェクトにはみずほや三菱UFJが、JPモルガン・チェースやHSBCなどと並んでそれぞれ10億8000万ドルの融資を行うことになっている。また、SOMPOHDはアメリカの保険子会社を通じて賠償責任保険を提供する。

みずほ、三菱UFJやSOMPOHDの対応は?

東洋経済の融資額に関する質問に対し、みずほ、三菱UFJともに個別の取引については「回答を差し控える」とし、SOMPOHDも「個別プロジェクトおよび個別企業との取引状況については開示できない」している。

そのうえで、みずほは一般論として、大規模な開発や建設を伴うプロジェクトに参加する場合には「エクエーター(赤道)原則を適用している」と回答。環境・社会に対する負の影響の発生が想定される石油・ガスセクターに属する企業・案件への投融資については「『環境・社会に配慮した投融資の取り組み方針』を制定・運用している」という。

赤道原則とは、金融機関が大規模な開発や建設に関するプロジェクトに融資する場合に、環境や地域社会に与える影響に十分に配慮して実施することを確認する枠組みだ。世界銀行などの公的金融機関や世界の大手民間銀行が採択している。

なお、三菱UFJはリオ・グランデLNG事業への融資について、「赤道原則に則って環境・社会配慮確認を行い、その結果も踏まえて与信判断を実施している」と東洋経済に答えている。

また、一般論として融資を検討する際には、「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」などに則った対応もしているという。同ポリシーフレームワークでは、「ファイナンスに際して特に留意する事業」として、「先住民族の地域社会へ負の影響を与える事業」などを例として挙げている。

SOMPOHDは一般論として、東洋経済の取材に次のように答えている。

「環境・社会に負の影響を与える可能性のある保険引き受け案件に関しては、ユネスコ世界遺産保護条約やラムサール条約で保護対象となる自然や文化遺産を破壊するとされる事業などを対象となる事業として特定し、環境や社会に及ぼす悪影響を評価している」

「必要に応じてサステナビリティ部門が、営業部門、アンダーライティング部門とESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から対応事項等について協議を行うなど、慎重に対応している」

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