林芳正「なくなって構わない税収など存在しない」 103万円の壁、ガソリン暫定税率を語り尽くす
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 8時0分
政治ジャーナリストの青山和弘が政党や各界の論客をゲストに招き、日本の政治を深掘りする「青山和弘の政治の見方」。今回はゲストに石破内閣の官房長官を務める林芳正・衆議院議員を迎え、国民が注目する「税の議論」について直撃した。
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基礎控除とはいったい何か
青山和弘(以下、青山):まずは総選挙後の政権運営について伺います。大きな焦点だったのは、補正予算を成立させることでした。国民民主党の賛成を得るために「103万円の壁」の見直しが行われ、税制調査会で123万円まで引き上げることになりました。もともと税調のインナーで、税についても詳しい林さんとしては、この結果をどう受け止めていますか?
【動画を見る】現職の官房長官が石破政権を語る/103万円の壁/ガソリン税の暫定税率廃止/これからの政権運営/企業・団体献金/防衛・外交・通商
林芳正(以下、林):基礎控除とはいったい何か。それは、こういうものは生活に最低限必要だから、その分は所得から差し引きましょうというものです。今般の与党の大綱の考え方は、デフレの間は物価がそんなに上がっていなかったけど状況が変わり、ちゃんと計算をすると今回上げた分くらいは調整が必要だろうと、自公の間で合意できた結果だと思います。
青山:一方で国民民主党の主張は、物価上昇分ではなく最低賃金の上昇分に合わせて178万円まで上げるべきだ、というものです。この考えをどう評価していますか?
林:なぜ最低賃金でスライドさせるべきなのか、私自身が説明を直接聞いたわけではないのですが、税調のころの私の理解でいえば、基礎控除の性格からして、物価上昇分に合わせてスライドさせるというのが中心になる考え方ではないかと思います。
来年度予算の可決という「次の山」に向けて
青山:国民民主党の考え方は、基礎控除は憲法で保障されている「最低限の生活」を営むためのものということで、金額が決められていると。そもそも103万円も当時の最低賃金の額から算出された数字なので、最低賃金が上がった分控除の額も上げていくのが筋だろうと。
林:そうですね。実は過去に基礎控除の額を動かしたことがありますが、その際は物価を基準にして行っています。だから、それにならってやっていくというのが今回の与党の考え方だと理解しています。
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