和田秀樹「60歳からでも脳はどんどん発達する」 自分の限界を決めてしまうのはもったいない
東洋経済オンライン / 2024年12月28日 7時0分
高齢者専門の精神科医である和田秀樹さんの著書『脳と心が一瞬で整うシンプル習慣 60歳から頭はどんどんよくなる!』。本書の中で和田さんは、人はいくつになっても脳の働きを活性化させ、賢くなり続けられるのだと語っています。一部抜粋・再構成してお届けします。
高齢になってから人生のピークを迎えた人たち
60歳というと、ひと昔前には定年退職の年齢として設定されていたこともあり、「第一線を退く年齢」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
けれど実際には、シニア世代の方は多くの可能性を秘めていますし、仮に過去に華やかな学歴や肩書などを得ていなかったとしても、70代、80代、時には90代になってから華々しい活躍をしたり、世の中に大きな影響を与えたりした方は大勢います。
大切なのは、「明日は今日の自分を超えていこう」という思いで前進し続けること。そういう人は「頭をよくしよう」と決意すれば、何歳であってもどんどん知力を増していくことができますし、限界突破していくことだってできるでしょう。
ここで、年齢を重ねてから人生のピークを迎えた方の例をいくつかお話ししましょう。
2024年4月に、日本航空(JAL)初の女性社長として就任された鳥取三津子さんは、もともとは客室乗務員として同社に入社した方でした。女性社長だけでなく、CA出身の方の社長就任も、同社にとって初めてのこととなります。
鳥取さんは長崎県の活水女子短期大学英文科の出身。2024年現在、彼女は59歳。社会人になってからの約40年の間にずっとご自身を磨き続け、経営者としての哲学とスキルを身につけてきたのでしょう。
歴史上の人物の多くが遅咲き
歴史上の偉人で言うと、たとえば初めて日本地図の作成に乗り出した伊能忠敬(1745年~1818年)も、遅咲きの人物として有名です。
「人生50年」と言われていた時代、忠敬は50歳という高齢で天文学者に弟子入りし、測量・天文観測を本格的に学び始めました。その後、56歳から測量の旅に出て、71歳になるまで17年かけて日本全国を測量したのです。そして73歳の没後、彼の遺志を継いだ弟子たちが『大日本沿海輿地全図』を完成させています。
弱まった足腰で日本中を歩き回ることにどれだけの労を要するかは、決して想像に難くはないでしょう。年齢を言い訳にしなかった忠敬のバイタリティが今の地図の礎を築いたのだと考えると、感じ入るものがあるのではないでしょうか。
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