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推しに会いたい!「CD大量購入」「投げ銭」の深い沼 "活力"から一転、課金にハマったファンの末路

東洋経済オンライン / 2024年12月28日 7時30分

現在は推しが出演するイベントが減ったこともあって、支出が落ち着いているというAさん。だが「同じようにCDと抽選券をセットにする販売手法が『ラブライブ!』などのコンテンツで現在も行われており、出費がかさんでいる若い子を見ると心が痛む」という。

アンケートに寄せられた意見

実際、東洋経済が実施したアンケートでも負担が大きいと感じた課金対象にCD購入を挙げる意見が数多く寄せられた(参考記事)。

「韓国アイドルグループのCD(イベントへの抽選に参加できるシリアルコードが封入されている)」(30代女性)

「櫻坂46のオンラインミーグリ(個別トーク会)のためCDをたくさん買っている」(60代男性)

「ヨントン(韓国語でテレビ電話で話せる権利)を受けるため、100枚以上のCDなどを購入し抽選に応募している。CDの保管場所にも困っている」(40代女性)

オタクと消費の関係性を研究しているニッセイ基礎研究所の廣瀬涼氏によれば、「CDと握手券を結びつけたAKB48とその派生グループが圧倒的な成功を収めたことの影響が大きい」という。

「お金を払えば払うほど推しの時間を独占できる、というビジネスモデルを作り上げたことで、消費額が大きいほどほかのファンに対して優位に立てる、独占欲や承認欲求が満たせるというヒエラルキー(階層構造)が固定化してしまっている」(廣瀬氏)

課金が止まらなくなる「投げ銭」

こうしたファン同士のヒエラルキーをさらに加速させているのが「投げ銭」だ。投げ銭とはネット上で行われているライブ配信で、視聴者が配信者に対してお金を支払うこと。「スパチャ(スーパーチャット)」など配信プラットフォームによって呼び方はさまざまある。

東洋経済が取材を進める中で行き当たった最も深刻な事例では、50代の既婚男性が女子中学生に500万円以上も投げ銭をしていたというから驚きだ。

この男性は大手企業に勤めており、20代で結婚し、40代で部長に昇進するなど順調な社会生活を送っていた。ただ、50代に入って地方へ単身赴任となり、暇な時間に動画配信サイトを見ていたところ、配信者の女子中学生とやりとりするようになった。

やがて女子中学生に恋愛感情を抱くようになり、連日動画配信を長時間視聴、投げ銭の金額も膨らんでいき、500万円を超えた。単身赴任後に本社勤務となったが、この女子中学生への課金行為をやめることができず、結局離婚にまで至ってしまったという。

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