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映画『忍たま』大人向けに"大胆転換"も好調の訳 13年ぶりの劇場版、他作品のヒットも影響?

東洋経済オンライン / 2024年12月28日 9時50分

シリアスな新作映画が話題の『忍たま乱太郎』。大人向けへの大胆転換が成功した背景とは?(出所:SHOCHIKU animeチャンネル【公式】)

誰もが知る国民的アニメ『忍たま乱太郎』(NHK総合)が、これまでのイメージとひと味違ったシリアスな新作映画を送り出し、反響を呼んでいる。

【画像で見る】劇場版では、格好いいアクションシーンも登場!

その名も『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(12月20日公開)。公開後3日で興行収入2.9億と好調なスタートを切り、この年末年始でさらに動員数の伸びが期待されている。

そんな『忍たま』シリーズ、劇場作品の発表は実に約13年ぶりと久々の挑戦だ。満を持して再始動した長寿アニメの"新展開"、その実態とは。

キッズアニメを大人向けにした狙い

『忍たま乱太郎』といえば、忍術学園1年生の乱太郎・きり丸・しんべヱらが活躍するギャグ満載の日常アニメである。

尼子騒兵衛の漫画『落第忍者乱太郎』が原作で、アニメは放送開始から今年で32年目。

個性豊かなキャラクターたちが織りなすにぎやかな会話劇を、子どもの頃にテレビで見ていた方も多いだろう。

対して今年の映画は、乱太郎たちの教科担当教師・土井先生こと土井半助の失踪をめぐって忍たま一同が奔走する、緊迫したストーリーとなっている。

『忍たま』らしい和やかな笑いは随所にありつつも、キャラクターたちの過去が垣間見える人間ドラマや、忍者同士の本格アクションなど、新たな魅力が詰まった一作になった。

また、『忍たま』の魅力である「丁寧な時代考証」は映画でも健在だが、さらに今作では、作品の舞台である、戦国の時代背景を感じるビターな描写が所々にちりばめられている。

詳しくはぜひ劇場で見てほしいのだが、大人になって初めて同シリーズに触れる方は「忍たまって実はこんな話だったのか」ときっと驚くはずだ。

ではなぜ今回の劇場版は、そのような"大人向け"とも思える攻めたコンセプトに踏み込んだのか。映画『忍たま』は、同作の既存ファンのみならず大衆層の動員を狙った企画なのだ。

そして実際に、アニメファンを中心にじわじわとリピーターを増やしている現状がある。

キャラクターの"タレントパワー"は影響力大

今作が話題を集めた理由の一つが、「本編の主人公とは異なるキャラクターをメインにした企画の成功」だ。実写作品において俳優の集客力が重要であるように、アニメ映画においてもキャラクターの座組は作品人気にダイレクトに影響する。

映画『忍たま』の場合は、「土井先生」と「きり丸」の絆に焦点を当てたことで、テレビ本編とは違う角度から作品の魅力を引き出すことに成功したのである。

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