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飲食チェーンが沖縄で独自メニュー出す深い事情 絞るのではなく足し算でターゲットを拡大する

東洋経済オンライン / 2024年12月29日 14時0分

そして、ターゲットを絞りすぎてはいけないもうひとつの理由が、チャンプルー文化の存在。その代表格が食堂です。

メニュー数100超えも珍しくない

多様な文化が融合し成熟してきたのが沖縄社会です。その象徴的な存在が沖縄の食堂と言えます。豆腐チャンプルーにカレーライス、とんかつ定食に、麻婆豆腐、ミートソーススパゲティ。沖縄料理はもちろん、和食・洋食・中華、何でもござれで100種類超えるメニューを誇る店も珍しくありません。

そのカオス的な雰囲気が温かみや楽しみを演出し、純粋な本土仕様の飲食店とは人気面で一線を画しているわけです。特定の市場を狙って、あえて沖縄市場に媚びないのも1つの戦略です。

おススメは、牛丼チェーン店で普通にタコライスがメニュー化されているように地元に合わせる戦略です。沖縄進出にあたっては、沖縄食堂のメニューをイメージして、さまざまなニーズに応えるべく顧客ターゲットを足し算で考え、楽しさを生み出す柔軟な思考を持つといいでしょう。沖縄ではメニュー数の多さが、消費者の心を動かす大事な原動力となります。

なお、沖縄の食堂で見られる「味噌汁」というメニューは、もはやおかずです。本土では小さな椀でご飯の横に添えられるのが一般的ですが、沖縄では、どんぶりに盛り付けられ、ポークや卵、豆腐やレタスなど、ボリューミーで具だくさんな料理を「味噌汁」といいます。これも沖縄流食文化の1つです。

伊波 貢:沖縄進出コンサルタント

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