生成AIでアップルも頼る最強の裏方企業「AWS」 「カスタムシリコン戦略」を強力に推進
東洋経済オンライン / 2024年12月30日 9時0分
やがてAmazonは、そのAWSの事業が、自社向けだけでなく、他社にも提供したらビジネスとして成立しそうだという可能性に気付いた。そうしたデータセンターなどのITインフラを、自社だけでなく、他社に対して提供する事業を「クラウドサービス」と呼びはじめるようになった。なお、クラウドというのは英語で雲のことで、インターネットの雲の向こう側にあるインフラという意味でクラウドと呼ばれている。
2000年代には社内向けとして小さく始まったAWSのクラウドサービス事業だが、2010年代に社外向けが急成長し、今ではAmazonの2024年第3四半期(2024年7月~9月期)決算報告書によれば、Amazonの連結会社としてのAWSは、決算直近12カ月の売り上げが1029億7400万米ドル(1ドル=150円換算で、日本円で15兆4461億)となり、Amazon全体の売り上げの約17%を占める。また2024年第3四半期は前年同期に比べて約19%の売り上げが伸びるという結果になるなど、Amazonの主力3事業(北米向け、国際向け、AWS)の中で最も成長しているのがAWSの事業となっている。
市場シェアでも、インフラ向けのCSPとしてはAWSがトップだ。2023年に発表したガートナーの調査によれば、2022年のインフラ向けCSP市場シェア1位は約40%のAWS、2位が約21%のMicrosoft、3位が約8%の中国Alibaba Group。AWSは約40%という圧倒的な市場シェアを占めており、CSPのリーディングカンパニーと言って良い存在だ。
困りごとを解決するのがAWSの企業理念
そうしたAWSは、例年11月末から12月上旬に、「re:Invent」と呼ばれる同社顧客を対象にした年次イベントを開催しており、2024年も12月2~6日に米国ネバダ州ラスベガスで開催された。12月3日に行われた基調講演の中で、AWS CEO マット・ガーマン氏は「弊社が成立しているのは、お客さまである皆さまに困っている何かがあり、それを解決する手段を必要としているからだ。そうしたお客さまのニーズを学習し、お客さまが必要としている最高のテクノロジーを提供していきたい」と述べ、詰めかけた同社顧客に対して、同社の最新製品に関して説明した。
顧客が必要としているものを提供する、どんなビジネスでも共通する最強のビジネスモデルだが、進化が早いIT業界でそれを実現するのは「言うは易く行うは難し」の典型例だ。では、それをAWSはどう実現しているのかと言えば、AWSには最も身近に非常に巨大な「ファーストカスタマー」がいて、そのファーストカスタマーでさまざまな実験をして、そのノウハウを顧客に対して提供することを可能にしているのだ。そのファーストカスタマーであり、かつ最大の顧客がAWSの関連会社であるAmazonだ。2024年のre:InventにはAmazon CEO アンディ・ジャシー氏もゲストとして登壇し、AWSのサービスがどのように使われているかを説明した。
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