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2025年「2つの思考法」が"問題解決できる人"の鍵 論理思考、仮説思考「以外に」大事な考え方は?

東洋経済オンライン / 2025年1月2日 10時1分

デザイナーは自らの手を動かし、微妙に修正を加えながら、成果物に仕上げていく。最終形に直線的に向かうのではなく、柔軟に軌道修正しながら、ゴールを目指すのが彼らの仕事のやり方である。

この発想は、先行きが不透明で、変化のスピードが速く、しかも問題の難易度が格段に上がっているビジネスの世界においても、有効なアプローチである。

「デザイン思考」は、けっして最先端の思考法ではない。アメリカでは1980年代にその概念が紹介され、導入する企業が増えていった。

シリコンバレーの企業では「Fail fast, fail cheap and fail smart」(早く失敗し、安く失敗し、賢く失敗する)という言葉がさかんに使われる。

これはまさに「デザイン思考」の発想である。

「まずやってみる」「まず動いてみる」という行動重視の姿勢、フットワークのよさが多くのイノベーションにつながっている。

「完璧性の追求」は日本企業の大問題のひとつ

もちろん、「デザイン思考」も完璧なものではない。「目先のアイデアばかりにとらわれている」「非現実的で根拠のない提案にとどまっている」などの批判もある。

しかし、それでも「デザイン思考」的発想の導入は、日本企業が再生を果たすためには欠かせないと私は考える。

日本企業が「失われた30年」において勢いをなくし、イノベーションを起こすことができなかったひとつの理由は、「完璧性の追求」にある。

マサチューセッツ工科大学のマイケル・クスマノ教授は、「日本はソフトウェアを製造業として捉えてしまった」と指摘する。

2.アジャイル思考

そうした過ちを繰り返さないためには、「アジャイル思考」を身につける必要がある。

「アジャイル思考」とは「小さな単位で修正を繰り返しながら、完成度を高めていく考え方」だ。

「アジャイル」とは「事前に詳細に計画を立てるのではなく、短いスパンで実装とテストを繰り返しながら完成を目指す」というソフトウェア開発手法を指す。

そして、この考え方の有効性は、システム開発だけにとどまらない。

不確実性の高い経営環境においては、イノベーションや商品開発、業務改革など経営のあらゆる局面において、「アジャイル思考」が求められている。

「面白い!」と感じるアイデアが生まれたのなら、「さっさとやってみればいい」というフットワークの軽さ、柔軟性、いい意味での「いい加減さ」を日本企業は失っていた。

小さく始め、小さな失敗を繰り返しながら、スピーディーに物事を前に進めていく。フットワークの軽さ、柔軟性、臨機応変に対応する力は、「新しい現場力」には欠かせない要素である。

「論理思考」だけでは、新たな価値創造はできない

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