1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

令和ロマンくるま「芸人総アイドル化時代」を分析 芸人はブームに対して上手く乗りつつも内心冷静

東洋経済オンライン / 2025年1月2日 15時0分

そして特に思想のないファンもSNSを見て「揉めている芸人のファンの仲間」になりたくない、とかも考えてしまう。とにかく個人が全体に接続されている状態が精神衛生上よくない。

一方芸人はあまりこの流れを汲んで考えていないから、簡単に「ワーキャー芸人だ!」とか「俺も顔ファンほしー!」とか揶揄してしまう。かつての「ワーキャー芸人」たちが人気にかまけてネタが伸び悩んでいったことはみんな何となく分かっているから、今回のブームに対して上手く乗りつつも内心冷静な部分があって、本当に調子乗ってる奴がほとんどいないから平和的にイジり合ってるんだけど、それがお客さんとのピリつきとあんまり噛み合っていない。

ファンによる「全ステ問題」

以前、Xで「全ステ問題」が話題になっていた。大阪では劇場が近い距離に複数あるため、3つの劇場の出番を3回ずつ回ったりする。それぞれのライブの公演時間は被っているので演者は自分の出番が終わったら即移動する。それに合わせてファンも移動して「全ステ(ステージ)」を見ようとしてしまうから、人気の芸人の後は完売のはずなのに空席が! という昔からある問題がさらに深刻な問題かのように論争になっていた。

「全ステ」側の人は「なんで全ステしちゃいけないのか分からない! 推しは全部見たい!」と言っていた。Xのプロフィールを見るとアイドルのファンもやっている方で、あっちの世界では普通のことなんだと思った。

だけどそれがこっちではあまり普通じゃないってこと、誰にも教わらないもんなあ。

次のステージを見たいからとかじゃなくて、もう十分面白かったな、とか飽きたな、くらいで退席してほしくもある。それくらい、いい加減にお笑いを見てほしい気持ちはある。盗撮とか私語の方が全然やめてほしい。ぐっすり寝てくれてても構わない。

自分の出番と同時に客が帰って行ったらそれをイジって笑いを起こしたいし、この問題が取り沙汰されたときも先輩がそうしたらしいと聞いて嬉しかったし流石だなと思った。でもそういったイジりも本気で顔ファンに怒ってるファン層がSNSへ無機質に書き起こすことでボケっぽくなく広まり、「私たちの代弁者」のようにされてまたさらにピリつきを生んでいるのが悲しい。

まあ解決には会社側がルールを定めて時間帯の被っている公演の来場を禁止するしかないんだろうけど、それによって満席にならない公演も出てくるだろうし、全ステしている人たちによって劇場の利益が出て、演者に還元されているという現実がある以上、何とか許してあげてくれないかなあ。

カッコつけた芸人の雑誌もアクスタも生写真のカードも、今の芸人バブルの賜物であり、落ち着く日は来るのだから無理してその泡を割らなくてもとは思う。

これから有利になる芸人のタイプ

話を戻すと、ファンにまつわるピリつきと無縁の人が相対的に有利になっていくのか。

本人のファンはそれほど多くないけど、他の芸人のファンにもよくウケる「マスコット」タイプ。芸人間の評価が高くて、「台本力」で安定してウケを取る「いぶし銀」タイプ。ここら辺に追い風が吹く、というより無風の中どんどんオールを漕いでいけるのかもしれない。

単純に濃いキャラ、というか、何回見ても笑えるようなくだらなさがある人。

仕上がっているということはミスが許されない、ということでもあり、逆に多少のミスすら愛嬌に変えられるような「ユルさ」が強みになる。

令和ロマン・髙比良くるま:お笑い芸人

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください