1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

50年以上実現せず「奥羽新幹線・羽越新幹線」の今 「本当に必要としているのは山形県だけ」のワケ

東洋経済オンライン / 2025年1月4日 18時0分

現時点では奥羽新幹線、羽越新幹線の必要性は極めて乏しいと言える(写真:旅風/PIXTA)

各地で計画・進行している鉄道に関する「あの計画」はいったいどうなっているのか、そしてそれらの計画が地域社会にもたらすものとは?

新幹線の延伸や在来線の再整備、地方鉄道の存続問題など、それぞれの地域で進行する鉄道関連事業、鉄道ファンのみならずそれぞれの地域に住む人々なら誰もが気になる計画について、YouTubeで大人気の鉄道アナリストが徹底解説!

鐵坊主さんの著書『鉄道路線に翻弄される地域社会 - 「あの計画」はどうなったのか?』から一部抜粋、編集してお届けします。

東北地方には、福島から山形を経由し、秋田へと至る奥羽新幹線、新潟から秋田を経由し、青森へと至る羽越新幹線という2つの新幹線の基本計画路線があり、山形県を中心に誘致活動が行われている。

【図で見る】奥羽新幹線、羽越新幹線で計画されている想定路線図

しかし、基本計画路線に定められてから50年以上の歳月が流れた現在も、その実現に目処は立っていない。

この2つの路線の実現性について考えてみよう。

奥羽新幹線と羽越新幹線の概要

2つの路線の想定されているルートと駅の設置場所は下の地図に記した通りである(※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

奥羽新幹線は米沢、赤湯、山形、さくらんぼ東根、新庄、湯沢、横手、大曲に駅が設置され、秋田で羽越新幹線に合流する。

羽越新幹線の起点は北陸新幹線の上越妙高駅であり、長岡駅で上越新幹線に合流する。長岡駅から新潟駅までは上越新幹線と路線を共有し、新潟駅からは鶴岡、酒田、秋田を経由し、青森へと至る。

上越妙高駅から長岡駅の区間については、新潟県が信越本線高速化事業として、別に検討を進めている。

これらの新幹線の開業による時間短縮効果は、山形県や秋田県などが独自に試算しており、主な区間については、下の表の通りである。

区間によって試算方法が異なるため、東京〜新庄と東京〜秋田の新幹線利用の所要時間が同じになるなど、数値に整合性がない点は了承願いたい。

また、東京〜秋田の現行の所要時間は山形新幹線と奥羽本線の在来線列車利用によるもので、秋田新幹線利用の時間ではない。秋田新幹線を利用すれば、東京駅から秋田駅まで最速列車で3時間37分である。これを基準にすれば、短縮効果は1時間7分とかなり違った結果となる。

新幹線建設効果は所要時間短縮が最も大きなものだが、近年増加する激甚災害に対する線路施設の強靭化と運行の安定、踏切のないフル規格新幹線による安全確保もメリットとして挙げられる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください