入試の盲点「時計見る回数多い子」が落ちやすい訳 東大生が教えるタイムマネジメントの新常識
東洋経済オンライン / 2025年1月4日 7時50分
受験が近づくにつれて、さまざまな不安や焦りを抱える受験生や親は多いと思います。それらを解消するためにはどうしたらよいのか。短期集中の毎日連載「現役東大生が解決!受験お悩み相談室」では、偏差値35から東大合格を果たした漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡壱誠氏が率いるカルペ・ディエムのメンバーが、数多くの受験生を指導した経験を基にした解決策を伝授します。【連載第15回】
大学入学共通テストは「時間との戦い」
みなさんは「時計を見る回数が多い受験生は落ちる」という言説を知っていますか。言葉のとおり、試験時間の中で時計を見て時間を確認する回数が多い受験生は不合格になることが多いという意味です。
【漫画・ドラゴン桜で学ぶ】集中力を上げる方法とミスを少なくする方法
「どうして? 試験中に時計くらい見たっていいじゃないか!」と考える人が大半だと思うのですが、これにはいくつか理由があります。
大前提として、試験において制限時間をしっかり把握するのはとても大切なことです。難しい試験であればあるほど、制限時間の設定が厳しいものになっています。大学入学共通テストや難関大学の2次試験などは基本的に「時間との戦い」になっていくのです。
ですから、「あと10分だからこっちの問題を解こう」「もう時間がないからこっちの問題は捨てよう」というように、残り時間を計算しながら問題を解くことが大事になります。
「じゃあ、なんで時計を見る回数が多いとダメなんだ?」と思うかもしれませんが、大きな理由の1つは「時間を確認する行為自体がタイムロスになる」ということです。
さきほどお話ししたとおり、難しい試験は「時間との戦い」です。制限時間が短い試験において、1~2分の時間でも命取りになります。そんな中で、時計を確認すること自体が大きなタイムロスです。「そんなおおげさな……」と思う人もいるかもしれませんが、これを何度も何度もやってしまえば2~3分、多ければ5分程度のタイムロスになってしまいます。
もう1つの問題は「思考の中断になってしまうこと」です。
共通テストの国語の問題を考えてみましょう。国語の試験は今年の新課程から5つの大問を90分で解く形式に変更され、ますます時間が厳しくなりました。そんな国語の試験は、与えられた長文を読んで問題に答えるという形式がほとんどです。
長文を読んでいる途中で「そういえばあと何分なんだろう?」と考えてしまうと、文章の内容から意識が離れてしまう。つまり思考が一時中断されてしまうわけです。集中力も下がりますし、読み取った情報を忘れてしまう危険性もあります。そういう意味でも「タイムロス」なのです。
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