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"黄金パンツ"の92歳ラガーマンが貫く「生涯現役」 40歳以上のラグビーチーム「不惑倶楽部」とは?

東洋経済オンライン / 2025年1月6日 12時0分

不惑倶楽部に入る前からぼくが所属していたドクターズクラブは、ときどき不惑倶楽部とも試合をしていました。その頃から不惑倶楽部は非常に強いチームで、ぼくらは負けることが多かったと記憶しています。

あるとき、試合が終わったあとで倶楽部の人に声をかけられたのです。「永山くんも、そろそろ40歳だろう? 不惑倶楽部は数え年だからもう入れるんじゃないか? 今度はこっちにも来いよ」と。

当時、ぼくは39歳だったと思います。誘ってもらえたことがうれしくて、「次の試合はいつですか?」と聞きました。すると「来週だよ」と言うのです。

「試合は年に何回くらいあるんですか?」と聞くと、「年間50試合くらいかな」と言うのだから、仰天しました。当時のドクターズクラブの試合数は年に数回。一方、不惑倶楽部はほぼ毎週試合をしているのです(40代のチームの場合)。

これはかなりハードだぞ……と思いました。

しかも不惑倶楽部は、元日本代表選手なども所属する日本でいちばん有名なシニアチームです。そんなところで自分が勝負できるのか……と迷いもしました。でも結局、「不惑倶楽部でプレーしてみたい」という思いにはあらがえませんでした。

ぼくは不惑倶楽部に入会しました。背番号は59。年代別に色が分かれているパンツで、40代は白パンでした。

ちなみに、不惑倶楽部の背番号は入会順です。背番号59のぼくは、59番目の入会者ということです。ちなみに息子の正隆は460番。現在は680番台までいるそうですが、そこまで人数が増えたことをうれしく思います。

一方で、2ケタの背番号の人はもうほとんどいらっしゃいません。自分が不惑倶楽部の最年長になったことを思うと、入会当時から隔世の感があります。

不惑倶楽部が世界に広げた年代別パンツの色

不惑倶楽部のいくつかのルールは、現在、世界のシニアラグビーの共通ルールになっています。そのうちの一つが、年代別のグループ分けとパンツの色です。

現在、多くのオーバー40ラグビーチームでは、年齢でチームを分けています。そしてそのチームごとにパンツの色が違うのです。不惑倶楽部のウェブサイトにはこんな説明があります。

・40代は白パンツ……まだまだ青二才。
・50代は紺パンツ……一人前の顔をしていますが、まだまだです。
・60代は赤パンツ……ようやく人間扱いされます。
・70代は黄パンツ……人間を通り越して化け物に見えます。
・80代は紫パンツ……化け物です。神々しくもあります。
・90代はゴールドパンツ……こうなったら100歳までお願いします。

ここでいう年齢は「数え年」です。昔の日本では、生まれた年が1歳でした。その後、正月を迎えるたびに1歳ずつ年齢を重ねていきます。

ぼくは1932年生まれなので、2021年の新年に不惑倶楽部では90歳を迎えました。新年最初の試合で名前入りのゴールドパンツをもらったときには、本当にうれしかったですね。

これらのパンツの色によって、試合のルールが違ってきます。年代混成で試合するとき、たとえば1つまたは2つ上の年代にはタックルしない(例:白パンツは、2つ上の赤パンツにタックルしてはいけない。紫パンツ以上のプレーヤーには、1つ下の黄パンツもタックルなし)などがあります。

それは中高年が安全にラグビーをするためであり、長く生涯スポーツとしてラグビーを楽しむためのマナーにもなっています。ぼくが長くラグビーを続けてこられた背景には、こういった不惑ルールもあったのです。

永山 隆一:医師

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