石破政権を襲う「2025年の政局」3つのシナリオ 通常国会を乗り切れるか?参院選の行方は?
東洋経済オンライン / 2025年1月6日 8時0分
2025年、石破茂首相は少数与党という苦境の中で通常国会から参院選というハードルに挑む。乗り越えられなければ退陣は避けられない。
外交では、アメリカのトランプ新大統領との間合いを測りつつ東アジアの平和と安定をリードしなければならない。内政では、インフレを抑え込み経済再生を進めることが急務だ。波乱必至、課題山積の日本政治の行方を占ってみよう。
石破首相はまず、1月24日召集の通常国会に臨む。6月22日までの150日間の会期で、予算案や年金改革の関連法案などを審議する。
自民党派閥の裏金問題を受けて、与野党は昨年末の臨時国会で、不明朗な使い方が問題となっていた政策活動費の廃止などを盛り込んだ政治資金規正法の改正にこぎつけた。だが、企業・団体献金の扱いでは対立が続いており、通常国会の大きな焦点となる。
衆院予算委員会という大きなハードル
予算案審議を含む論戦の舞台となるのが衆院予算委員会だ。政府・与党は2月末には予算案を委員会で可決、ただちに本会議でも可決し参院に送って年度内に成立させたい考え。だが、同予算委の委員長は立憲民主党の安住淳元財務相が務める。石破首相や閣僚があいまいな答弁で逃げ切ることはできない。野党側が要求する裏金問題に関連した参考人招致や証人喚問も実現させる可能性が大きい。予算委の採決は3月にずれ込みそうだ。
そもそも衆院では自民、公明両党の与党が過半数を割っているので、野党側がそろって反対すれば本会議では否決される。与党側は野党の一部を取り込むためにさまざまな多数派工作を繰り広げるだろう。そして政局が混乱する。考えられるシナリオは3つだ。
第1は、少数与党の石破政権が予算案の一部手直しなどで国民民主党や日本維新の会などの賛成を取りつけて衆院を通過させ、参院でも可決、成立させる流れだ。
国民民主党は所得税がかかる年収の最低ライン「103万円の壁」を178万円に引き上げるよう要求。自公両党との折衝を経て2025年度の税制改正では「123万円」に引き上げることになったが、国民民主党は納得せず、政府予算案に反対の方針を表明していた。「123万円」をさらに引き上げるなどの妥協案で、国民民主党が予算案への賛成に回れば、衆院は通過し、成立のメドがつく。
維新は自公両党と教育費無償化の協議を進めており、自民党内では、教育費無償化に向けた予算案の一部修正で賛成に取り込む方策が検討されている。ただ、いずれの場合でも少数与党という構図は変わらない。
国民民主、維新との連立に動く?
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