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JR西日本だから?鉄分多め「最高峰ホテル」の内側 マリオットと組む「唯一無二」、大阪駅直結と…

東洋経済オンライン / 2025年1月7日 6時30分

大阪ステーションホテルで培った経験を、既存のブランドにも波及し、底上げを図る狙いもある。

24時間いつでもチェックイン・チェックアウト

同社初の試みは佐藤氏にとっても発見の日々だ。「まず、会員組織の充実さを感じました。マリオットの旅行プログラムであるマリオットボンヴォイは会員特典が豊富で、弊社ホテルでは対応したことがないものも少なくない。最上級会員なら24時間自由にチェックインアウトタイムがリクエストでき、ホテルステイを楽しむことに重きを置いた会員も多いのが印象的」。

一方で、こうした特典はホテル側にとっては混雑時などに事務手続きの煩雑につながりかねない。「ホテル側は混雑状況に応じて、特典利用をお断りする権利はあるにはあります。しかし、安定した特典利用環境の維持は必須要素。チェックアウトが遅くなれば、今度はチェックインの時間と重なってくるので、高稼働率となったときの課題は積極的に解決したい」。

現在の利用者はマリオットボンヴォイ会員が多く、インバウンド需要も高い。関空へのアクセス特急「はるか」がホテルに近い大阪駅地下ホーム発着というのも大きな利点のひとつだ。一方で、「国内のマリオット会員からの注目度も非常に高く、開業直後は日本人の利用率も高かった」と話す。会員の中では新しいマリオット系列ホテルができると“ひとまず泊まりにいく”のが流儀のようで、国内会員が開業時に集中したのはそうした背景もあったのだろう。

個性とテーマを重んじるオートグラフコレクションだけに、館内の随所に鉄道を意識させる工夫が見られる。ゲストを出迎える正面玄関を抜けると機関車の部品を使用した、「1874」という文字が登場する。これは初代大阪駅の開業年を示している。通路には架線柱などに用いられる碍子がそれとなく並べられており、客室のドアノブは運転室のブレーキハンドルを模している。さらに大阪は水の都とも呼ばれることに由来し、「ステーションスクエア」と名付けられたロビースペースの一角では、給水スペースがあり、往年の特急や新幹線に搭載されていた紙コップが備わっている。

鉄道をアートに昇華

鉄道でホテルの個性を打ち出すために、「担当スタッフ、デザイナーが鉄道について猛勉強したほか、京都鉄道博物館をはじめ、西日本を中心とした鉄道保存会にもご協力いただいた」(佐藤氏)。JR系列の他ホテルを見ると、いくつか鉄道色を出した演出や客室も見られるが、鉄道をアートとして昇華し、常設的にデザインとして配置したのはこのホテルの大きな“個性”だ。

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