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超短命政権の危機脱した石破首相を待つ「3大関門」 「予算」「不信任」「参院選」…2025政局展望

東洋経済オンライン / 2025年1月7日 10時0分

(写真:時事)

2025年の政局展開を巡る石破茂首相の年末年始の発言が、与野党双方に複雑な波紋を広げている。「熟議の国会での誠実で真摯な対応」を標榜しながら、2025年度予算案など重要法案否決や内閣不信任決議案可決には、衆院解散で対抗する考えを打ち出したからだ。

少数与党による「宙づり国会」で苦闘する石破首相にとって、与野党攻防の表舞台となる通常国会での「予算成立」と「内閣不信任案」への対応、さらには7月20日投開票が見込まれる次期参院選での自公過半数確保が、政権維持への「3大関門」となる。

これを踏まえ、石破首相はあえて「場合によっては『7・20衆参同日選』での大勝負に打って出る覚悟」をアピールすることで、「政局運営の主導権維持への強い意欲を示した」(政治ジャーナリスト)と受け止められている。

たしかに、野党の足並みの乱れを誘う形で昨年暮れの臨時国会を乗り切り、「超短命政権」の危機を脱したのが石破首相。その“粘り腰”に、自民党内からも「思った以上に強か」(閣僚経験者)との指摘が相次ぎ、「夏以降の政権維持もあり得る」(政治ジャーナリスト)との見方も出始めている。

ただ、その大前提となる、「7月政治決戦」での“与党勝利”については、「参院選単独ならよくて五分五分、同日選でも野党が共闘態勢をつくれば、一気に政権交代の可能性が出てくる」(選挙アナリスト)との見方が少なくない。自民党内の反石破勢力からは「参院選で大幅に議席を減らせば、その時点で“ポスト石破”の動きが始まる」(旧安倍派若手)との声も出るなど、石破首相の政権維持戦略の成否はなお不透明だ。

「衆参同日選」や「大連立」にまで言及

石破首相の一連の発言を振り返ると、まず仕事納めともなった昨年12月27日の都内での講演会で「予算案や極めて重要な法案が否決された場合、衆院の意思と内閣の意思とどっちが正しいか国民に決めていただくことは当然あり得べきことだ」と述べるとともに、不信任案可決への対応についても「国民の信を問うということも当然あり得べきことだ」と、いずれの場合も衆院解散で対抗する考えを明らかにした。

時事通信の記事によると、その一方で、衆院が少数与党という状況を踏まえ「野党に賛成していただかなければ(衆院で)予算も法案も通すことはできない」としたうえで、「今、それ(解散)をやるとか、そういうけんのんな物騒なことを言っているわけではまったくない」と“煙幕”も張った。しかし、唯一人解散権を持つ石破首相としての発言だけに、「与野党双方への“脅し”と受け止められたのも当然」(政治ジャーナリスト)だった。

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