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中国政府、外国人への「ビザ免除措置」さらに拡大 ビザなしトランジット滞在を240時間に延長

東洋経済オンライン / 2025年1月8日 20時0分

中国政府は訪中外国人のインバウンド消費の拡大に期待する。写真は中ロ国境に面した黒竜江省黒河市で買い物をするロシア人観光客(撮影:財新記者 陳亮)

中国政府が訪中外国人へのビザ(査証)免除措置を拡大している。中国国家移民管理局は2024年12月17日、中国経由で第三国に向かう外国人がトランジットビザ(通過査証)なしで滞在できる期間を大幅に延長すると発表した。

【写真】ビザなしトランジット滞在の延長を発表した国家移民管理局の記者会見

従来は72時間(3日間)だった滞在可能期間を、3倍以上の240時間(10日間)に延ばした。ロシア、ブラジル、イギリス、アメリカ、カナダなど54カ国が対象で、外国人に開放された出入国港から入国する場合に適用される。

出入国港も60カ所に拡充

と同時に、対外開放する出入国港も従来の39カ所から60カ所に拡充した。新たに追加された出入国港には山西省太原市の武宿国際空港、江蘇省無錫市の蘇南碩放国際空港、江蘇省揚州市の泰州国際空港、浙江省温州市の龍湾国際空港、浙江省金華市の義烏国際空港などが含まれている。

トランジットビザなしで入国した外国人が(観光や商用などのために)活動できるエリアも広がった。北京市、天津市、河北省、遼寧省、黒竜江省など従来の19省・自治区・直轄市に、山西省、安徽省、江西省、海南省、貴州省の5省が追加され、合計24省・自治区・直轄市となった。

中国政府は訪中外国人に対する短期滞在ビザの免除措置も拡大しており、2024年12月時点で38カ国が対象になっている。今回のビザなしトランジット滞在の延長はそれに続く措置であり、訪中外国人によるインバウンド消費のさらなる促進を目指している。

これまでの緩和措置により、中国を訪れる外国人の数は目に見えて増加しつつある。旅行サイト大手の去哪儿によれば、(同社のシステム上で)中国の国内線の航空券が外国のパスポート保有者の名義で予約された件数は、ビザ免除の拡大前の3倍近くに増えた。

高速鉄道「2時間圏」が人気

航空情報サイトの飛常准のデータによれば、2024年12月1日から16日までの期間に中国の空港に到着した国際線のフライトは約1万6000便と、前年同期比3割を超える増加を記録した。

また、前出の去哪儿によれば、外国人による国内線航空券の予約件数の上位5カ国はアメリカ、ロシア、カナダ、韓国、オーストラリアだった。6位以下ではマレーシア、日本、カザフスタンなどからの予約が急増しているという。

中国の高速鉄道網を利用して旅行する外国人も増えている。華東地方の上海市、江蘇省、浙江省や華南地方の広東省、内陸部の重慶市、四川省などの拠点都市から、高速鉄道で2時間前後で行けるエリアが特に人気を集めている。

(財新記者:孫嫣然)
※原文の配信は12月17日

財新 Biz&Tech

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