絶頂の転職エージェントが衰退する致命的構造 転職活動者にはおおむね好評でも気になる批判の声
東洋経済オンライン / 2025年1月8日 10時0分
中でも不満の声が大きかったのが、エージェントに支払う手数料の高さです。企業は、エージェントを通して採用した社員の年収の何割かの額を成功報酬として支払います。たとえば、年収1000万円で採用したら、3割として300万円もの手数料になります。
「新卒採用と比べてはいけませんが、年収の3割とか4割って、率直に『高すぎる!』と感じます。AI人材だと10割(年収と同額)ということもあります。大枚をはたいて獲得した人材が大活躍してくれれば良いのですが、ハズレだったり、すぐに退職してしまったりすると、我々には虚脱感しか残りません」(金融)
「エージェントは玉石混淆で、当社の事業はおろか人材ニーズすら理解しようとせず、次から次へと候補者を紹介してくる、“下手な鉄砲の撃ち手”がほとんどです。それが商売とはいえ、手数料稼ぎに血眼になっている彼らを見ると、ほとほと呆れます。こういうビジネスが大流行していることに、疑問を感じます」(エンジニアリング)
転職エージェント業界は参入障壁が低く、近年、業者が急増しています。そのため、企業への売り込みが頻繁で、企業が利用するエージェントの数も多く、中途採用担当者はエージェントの対応に苦慮しています。
「以前は多数のエージェントを利用していて、エージェントとの調整や売り込みへの対応で他の業務に支障が出る状態でした。そこで昨年から、信頼できるエージェントA社に他のエージェントのとりまとめを担ってもらい、当社はA社とだけやり取りする形に変えました。とりまとめ分の手数料が増え、本当にそれで良かったのか微妙ですが」(機械)
このように、エージェントは、転職経験者からは厚く信頼されている一方、企業の中途採用担当者からは強い不満を持たれているという、非対称の状態にあるようです。
転職エージェント業界は衰退へ?
では、転職エージェント業界は今後どうなるのでしょうか。転職者の増加に伴い、この10年ほど急成長してきたこの業界ですが、現在が絶頂期で、今後は停滞または衰退すると筆者は予想します。いくつか、その兆候を確認できました。
まず、転職希望者がエージェントを利用せず、自力で転職先を探す動きが広がることでしょう。今回の調査でも、転職が初体験という層はエージェントに依存していましたが、転職回数が多い層は自力で企業にアプローチすることを試みていました。
「前回の転職まではエージェントを利用していましたが、今回は自分で行きたい会社を探し、自分で会社に直接アプローチし、転職しました。採用担当者は、私の熱意と行動力を高く評価していました。あと『手数料が浮いて万々歳です』と正直に言っていました(笑)」(40代男性)
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