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将来地上から姿を消す?相鉄鶴ケ峰駅の「潜在力」 「西谷と二俣川の中間」ズーラシアの最寄り駅

東洋経済オンライン / 2025年1月8日 6時30分

反対側の南口は改札横の「崎陽軒」前の連絡通路が2007年に開業した29階建ての再開発ビル「ココロット鶴ヶ峰」に直結する。高層階はマンション、低層階はスーパーマーケット「そうてつローゼン」といった商業施設が入り、一帯のランドマークになっている。

駅長が語る鶴ケ峰駅

鶴ケ峰の藤岡正治駅長は同駅のほか、新横浜、羽沢横浜国大、西谷、上星川の各駅を管轄する。駅の利用状況については「通勤や駅周辺の学校への通学、旭区役所などの利用者が多い」と説明する。

藤岡駅長は1989年入社。いずみ野線沿線の出身で、二俣川駅での勤務を皮切りに車掌や駅助役、本社などで勤務してきた。「鶴ケ峰は高校時代、友人宅によく集まっていた思い出があります。南口はココロットが建ってかなり近代化されましたが、北口の古きよき商店街の雰囲気はほとんど変わっていません」という。

藤岡駅長のいうように、駅の北口は昔ながらの商店街が広がる。青果店などの店舗に交じってスーパーの「西友」もある。商店街を少し歩いた先には、意外に大きなバスターミナル。ここが鶴ケ峰駅のバス乗り場で、「ズーラシア」の愛称で知られる「横浜市立よこはま動物園」などのレジャースポットや、ひかりが丘といった住宅地へのバスが発着する。

バスターミナルの北側を流れる帷子川はこの辺りから相鉄本線に沿うように流れ、横浜港にそそぐ。駅周辺には河川改修前の帷子川が流れていた跡を利用した「鎧の渡し緑道」「帷子川親水緑道」などの公園が整備されている。ほかにも、白糸の滝、白根神社、白根不動尊、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で中川大志さんが演じた畠山重忠に関連した史跡など知る人ぞ知るスポットが点在する。

「適度に都会で自然が残る」

藤岡駅長は「以前は各停しか停車しない駅でしたが、いまは平日朝ラッシュ時は通勤特急や通勤急行、日中も快速が停まります。相互直通運転でネットワークが広がり、電車に乗ったらそのまま都心などの各方面へ行ける利便性が高い駅になりました。休日にものんびり過ごせる場所があって、適度に都会で自然が残る、住みやすいエリアだなと思います」と話す。

現在、鶴ケ峰周辺では、横浜市の都市計画事業である連続立体交差事業が進められている。同駅を中心に相鉄本線を約2.1kmにわたって地下化することで、10カ所の踏切を取り除く計画だ。事業完了は2033年度の予定。駅自体も地上からは全貌がわからない地下駅舎となる。

駅西側で交差する水道道(すいどうみち)の深刻な交通渋滞の解消のほか、駅前拠点の整備による活性化が期待される。藤岡駅長も「周辺が再開発されることになれば、さらに人気が出る街になりそう」とみる。

ただ、さまざまな行き先を掲げた電車が行き交う駅周辺の風景が一変することになるとは、このエリアに慣れ親しんだ人にとってもまだ想像がつかないかもしれない。

【写真の続き】改札のすぐ横には「崎陽軒」。水道道の「開かずの踏切」も橋上駅舎も、「S字カーブ」を走る電車も将来的には地下化によって姿を消すことになる。「ズーラシア」の玄関口でもある、現在の鶴ケ峰駅とその周辺には何がある?

橋村 季真:東洋経済 記者

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