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「よかれと思って」受験生の親が作る不合格の罠3例 親は基本的に口出ししないほうがいい理由

東洋経済オンライン / 2025年1月9日 8時20分

②家族総出で応援がプレッシャーに

次は「家族総出で応援」です。

ある地方の生徒の受験を指導していたとき「家族みんなで試験会場まで応援に行く」という家庭がありました。父母だけでなく、歳の離れた妹や祖母まで東京に来て、試験会場まで応援に行くというのです。大学受験で家族みんなが応援に来るというのは聞いたことがありませんでしたので、すごくびっくりしました。

「家族が試験会場に行くと落ちる」説も

その生徒は第2志望の地元の大学は合格できたのですが、第1志望の東京の大学(つまりは家族みんながわざわざ東京に応援に行った大学)は不合格でした。

この例に限った話ではないですが、「大学受験で家族が試験会場に応援に行くと落ちる」という説を提唱している塾・予備校の関係者は多く、自分が見ている多くの生徒に関して、この説が当てはまっている場合が多いと感じます。

もちろん地方から来る学生は、宿の宿泊などもありますから、お母様が同行するというケースもあります。なので全員が全員というわけではないと思うのですが、しかしやはり割合で見ると、試験会場に親が同伴していて失敗しているケースは多いです。

その理由はやはりプレッシャーになってしまうからなのではないかと思います。「応援してくれる人たちのために頑張らなきゃ!」という「自分を鼓舞する気持ち」と「失敗したら応援してくれた人たちに合わせる顔がない」という「プレッシャー」とは、似ているようで全然違うと思います。

前者の気持ちが強い受験生は試験で粘り強く戦うことができて、後者のプレッシャーが強い受験生は緊張で押し潰されてしまいます。

今回の場合は特に、プレッシャーが強くなってしまったからなのではないかと思います。「家族みんなから応援され、東京にまで来てくれたのに、自分が落ちたらどうしよう」と感じてしまったのではないでしょうか。

特別なことはしないほうがいい

③直前期だけ新しい家庭教師をつけて不合格に

最後は「直前期だけ新しい家庭教師をつける」です。これは、僕がとある学校に関わっていたときに聞いた話です。

医学部志望の受験生の1人が共通テストの点数がそこまで伸びず、その結果を見た親御さんが急に家庭教師を用意して1カ月間だけの家庭教師をつけたのだそうです。

その受験生は高校2年から塾に通っていて、本人は直前期の勉強もその塾に頼ろうと思っていたそうなのですが、父が「今のままではダメだ。家庭教師をつけろ」と言って新しい家庭教師の先生を呼んだそうです。

その先生は腕もよかったそうなのですが、受験生が家庭教師というシステムに慣れることができず、それもあって不合格になってしまったのだそうです。塾に通い続けていれば合格できたという保証もありませんが、その受験生としては父親の行動が正直嫌だったそうです。

いかがでしょうか? どれも親御さんは「子どものためを思って」の行動だったと思いますが裏目に出てしまうことも多いので、受験直前でも特別なことをする必要はなく、普段どおりに接していただければと思います。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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