ソニーが「ラスト・オブ・アス」展示で見せた新体験 技術で拓く「ディズニーと似て非なる道」
東洋経済オンライン / 2025年1月14日 8時30分
「合流するはずだった仲間がまだ来ていない。迷っているだけなのか、あるいはもっと悪いことが起きているのかもしれないが、私たちは彼らが消えた地点に向かい、これが脱出できるルートなのかどうかを確認しなければいけない!」ーー。
【写真を見る】ゲームソフト「The Last of Us」(ラスト・オブ・アス)をベースにした展示の内部
アメリカ・ラスベガスで1月7~10日まで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」。ソニーグループのブースではゲームソフトの「The Last of Us」(ラスト・オブ・アス)をベースにした展示に多くの人が集まっていた。
ラスト・オブ・アスは、謎の感染症が発生し感染すると人々が自我を失い凶暴化してしまう世界の中で、主人公のジョエルが少女・エリーを目的地まで送り届けるといったストーリー。サバイバルホラーアクションゲームだ。
匂いも含めてゲームの世界観を再現
展示の入り口に設けられた説明用のスペースで最初に、登場人物に扮した俳優から、冒頭のようにまるでゲームの世界にいるかのような説明を受ける。参加者は懐中電灯と銃を模したコントローラーを渡され、次の部屋へと移動する。
移動先のスペースには、参加者を囲む壁全体に高精細のLEDディスプレーが設置されている。振動する床や立体音響、匂いを制御する技術が組み合わされて、ゲームの世界観を忠実に再現している。
ソニーグループの十時裕樹社長が昨年5月の経営方針説明会で掲げたのは、「クリエイティブ・エンターテインメント・ビジョン」という新たな長期目標だった。(参考記事)
これは、ゲーム、音楽、映画、アニメ、スポーツの5つのエンターテインメント領域について、それぞれをIP(知的財産)の「創出」「育成」「展開」の3段階に分けて考え、成長させていこうというコンセプトだ。
CESのソニーブースではこの「ビジョン」に対応する形で、IPの「創出」「育成」「展開」のそれぞれをテーマとした展示が行われた。
「創出」では「バーチャルプロダクション」を紹介していた。あらかじめ撮影したり、CGで作成したりした映像をディスプレーに映し出し、これを背景にした撮影を可能にすることで映像制作を支援する仕組みだ。
バーチャルプロダクション自体は以前からあるが、新しく開発した「アキラ」というシステムでは、自動車のタイヤを実際に動かしたり、揺らしたりすることができる。そのため、より現実に近い形で撮影ができるようになっている。
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