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自分が発達障害?不登校の娘を責めた母の気づき 「親子関係の影響では?」思春期外来で刺さった医師の言葉

東洋経済オンライン / 2025年1月14日 7時40分

ご両親の離婚から始まった昭子さんの幼少期は心に複雑な影を落としたようです。

そんな話の中で出たのが冒頭の言葉、「私は自分のことを軽蔑している」です。

「子どもの頃のことを引きずっているのかどうかはわかりませんが、とにかく自分のことが信用できないんです。これは自分には難しいと思ったことは、できなくてもいいやと自分をごまかすのですが、人にはまるでできているかのように見せてしまう。見栄っ張りなんです」

昭子さんは強い言葉で自分を否定します。私は話題を変えて、娘さんが不登校になった頃の様子を聞いてみました。

紆余曲折しながらも自分の道を進む娘

「心因性のものだと思いますが、中学1年生の2学期に『歩けないくらい足が痛い』と言い出したんです。学校を休み始めてからはインターネットでゲーム三昧。家からはほとんど出ませんでした」

しかし、絵を描くのが好きな娘さんは、デザイン系の高校に進学。調子が悪くなると3、4日続けて休むことはあるものの、補習を受けてなんとか進級しました。

アルバイトでは、人間関係につまずいては辞め、しばらくしてまた再開するというパターンを繰り返しつつも、娘さんなりに頑張っているようです。そんな娘さんに昭子さんはどのように接していたのでしょうか。

「学校に行けなくなった頃は力や言葉で従わせようとしていました。『出て行け!』と言って脅したり、つかみかかろうとしたこともあります。娘が反抗したり言い返すことはありません。小さな頃から自分の感情を出さない子でしたから」

「それでも私は娘を問い詰めていくんです。最悪な母親ですよね。言い訳になりますが、周りと同じようにできる子でいてほしいと思ったんです。それは私自身ができない子だったから。私が後悔してきたことを娘にしてほしくないと努力を強要したんですね」

昭子さんが私と出会ったのはちょうどその頃でした。同じ境遇の他のお母さん方との交流を通じて、自分のことを少し客観的に見るようになります。

自分を肯定することは簡単ではない

「不登校について学ぶうちに娘のことを受け入れるしかないと感じました。自分の歪んだ価値観にも気づきました。私は自分を認めていなかったんだなって。でも、頭ではわかっていても感情がついていきません。過去の自分を癒やそうとしたり、今の自分を肯定しようと思っても、どうしても悪い自分が顔を出すんです。自分を認めるって簡単じゃない」

「娘は高校に入って学校に行くようになりましたが、体調不良で休みが続くと私ががまんできなくなるんです。『定期代がいくらかかってると思ってるの?』『もうすぐ学費を払う時期だけど学校をやめるつもりなら払いたくないんだけど』『夜中はゲームして元気なくせに朝になると体調が悪くなるんだね』などと吐き捨ててしまう。娘は黙って泣いています。自分でもひどいことを言っているとわかっています。でも、直せないんです」

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