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中国自動車市場、2025年は「EV・PHV」が5割超に 「10年前倒し」で中国政府の目標を達成の勢い

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 15時0分

中国の自動車メーカーは国内外の市場で新エネルギー車の販売拡大に邁進している。写真は中国大手のBYDがノルウェーに輸出したEV(同社ヨーロッパ法人のウェブサイトより)

中国製の「新エネルギー車」は2025年の世界販売台数(国内販売と輸出の合計)が1650万台に達し、前年比3割近く増加する――。新エネルギー車の業界団体である中国電動汽車百人会は2024年12月30日、そんな予想を発表した。

【写真】中国のファーウェイが開発を主導したスマートコックピット

同会の張永偉・副理事長兼秘書長の説明によれば、エンジン車を含む中国製自動車の2025年の世界販売台数は3200万台が見込まれ、その半分強を新エネルギー車が占める。さらに中国市場に限れば、新エネルギー車の販売比率は55%に達する可能性があるという。

(訳注:「新エネルギー車」は中国独自の定義で、電気自動車[EV]、プラグインハイブリッド車[PHV]、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

補助金廃止後も成長持続

中国政府は2020年10月に発表した「新エネルギー自動車産業発展計画」の中で、国内市場の新車販売に占める新エネルギー車の比率を2035年までに50%以上に高める長期目標を打ち出した。

ところが、新エネルギー車の国内販売は予想を超えるハイペースで拡大し続け、上述の目標を10年前倒しで達成する勢いだ。

その過程では、中国政府が新エネルギー車の購入者に支給していた補助金の段階的廃止や、車載電池の主要原料であるリチウムの高騰など、新エネルギー車の普及促進にマイナスの要素もあった。それでも販売が伸び続けてきたのは、中国の消費者がその価値を認めたからにほかならない。

新エネルギー車の販売に関する最近の大きな変化は、電池だけを動力に使うBEV(バッテリーEV)の伸びが鈍る一方、電池とエンジンを併用するPHVやレンジエクステンダー型EV(訳注:航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載したEV)が急成長していることだ。

中国汽車工業協会のデータによれば、2024年1月から11月までに中国市場で販売されたPHV(レンジエクステンダー型EVを含む)は451万9000台に上り、前年同期比85%増加。新エネルギー車の販売全体に占める比率は40%に達した。

前出の張副理事長は、BEVとPHVは2025年の中国の新エネルギー車市場でシェアを五分五分で分け合うと予想している。

ADASの普及も追い風に

先進運転支援システム(ADAS)やスマートコックピットの普及が(消費者の人気を背景に)加速していることも、新エネルギー車のさらなる成長の追い風になりそうだ。

中国電動汽車百人会は、2025年に中国市場で販売される乗用車の新車の65%に「レベル2」以上の自動運転技術が搭載され、中でも(完全自動運転に近い)高度なADASの搭載比率が2割を超えると予想している。

(訳注:レベル2の自動運転技術では、運転操作の主体は人間のドライバーにあり、それをシステムが支援する。中国の自動車業界では、人間による常時監視を残したまま、システムの自動運転能力を高める競争が激化している)

高度なADASは高い演算能力を持つ半導体や多数のセンサーを必要とし、電力消費量が大きい。それだけに、自動車のスマート化に関して、大容量の電池を搭載する新エネルギー車の(エンジン車に対する)優位は明らかだ。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は2024年12月31日

財新 Biz&Tech

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