39歳女性の婚活を阻む「この人でいいの?」の"壁" 相談所にもいる「結婚を躊躇してしまう」人たち
東洋経済オンライン / 2025年1月16日 9時40分
そこで、お互いの結婚に対する考え方や価値観が合えば結婚に進むし、大きくくい違えば、交際終了になることもある。
「必ず結婚をしなくてもよい」という言葉に安堵したのか、きみえはひさおと真剣交際に進むことにした。
結婚を考えると息苦しくなる
ところが、真剣交際に入ってみると、きみえは本当にひさおと結婚して幸せになれるのか、不安を感じるようになった。
結婚後に、今の仕事で独身時代のようなタイムスケジュールを続けられるのか。人付き合いは得意なほうではないのに、義父母とうまく付き合っていけるのか。大学時代からずっと一人暮らしをしてきたのに、一つ屋根の下で男性と暮らせるのか――。
考えはすべてマイナス方向に進み、膨らんでいった。
「これって、マリッジブルーというのでしょうか。ひさおさんのお人柄や経歴は、私にはもったいないくらい素晴らしいので、頭では前へと進んだほうがいいとわかっているんです。でも、結婚のことを考えると息苦しくなってくる」
その息苦しさは日に日に強くなり、ついには“交際終了”を出すことにした。だが、交際終了を出すと、失ったものの大きさに、また落ち込む自分もいた。
「もう、あんなに私のことを大切に思ってくれる人は、現れないかもしれない」
だが、失ったものは返ってこない。気を取り直してまた婚活を始め、そこから半年後にお見合いしたしんじ(42歳、仮名)と仮交際を経て、真剣交際に入った。
その途端に、ひさおのときと同じような心理状態に陥り、結婚することがどんどん苦しくなっていった。そして、こちらもまた真剣交際を終了させた。
私は、どうしてこんな人間なの?
しんじとの真剣交際を終了させたときに、きみえはかなり落ち込んだ顔で筆者に言った。「これで2度目。私は、どうしてこんな人間なのでしょうか」。
何かを決断しようとすると、決められない。“優柔不断”という言葉があるが、物事が決められない人というのは、決めようとすると不安になってしまう心理メカニズムが働く。
なぜ不安になるのか。それは、育ってきた背景にその要因の1つがあるといわれている。きみえは、幼い頃から勉強ができる優等生だった。大学も名の通った私大を卒業しており、有名メーカーに就職していた。
「母親は優等生の私が好きでした。テストの成績が悪かったり、何か失敗をしたりすると叱られたり、がっかりした顔をされたりするので、いつも母にほめられるように生きてきたんです」
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