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浜松〜名古屋「100km」無料で走れるバイパス爆誕 2025年3月に開通「愛知・福岡」2つのバイパス

東洋経済オンライン / 2025年1月17日 13時0分

なお、この道路はいくつも名称があるのでややこしいが、「国道23号線名豊道路」は、西から知立バイパス、岡崎バイパス、蒲郡バイパス、豊橋バイパス、豊橋東バイパスの5つの道路が連なって構成されている。

さらにその東に潮見バイパス、浜名バイパス(こちらは国道1号線・42号線のバイパス)へと続いて、浜松まで高規格道路が続いている。

福岡では「八木山バイパス」が再有料化

もうひとつのバイパスは、福岡県の「八木山バイパス」だ。この連載の「時代に逆行? いま『道路の有料化』が進むワケ」でも取り上げたように、有料道路が無料となり再び有料化されるという、めずらしいパターンのバイパスである。

福岡市と筑豊の飯塚市を結ぶ、国道201号線のバイパスとして1985年に開通した八木山バイパス(篠栗IC~穂波東IC 13.3km)は、2014年に無料化された。

しかし、片側1車線のため渋滞が頻発し、事故も激増。そこで、片側2車線化の工事が行われるのと同時に、運営も国からNEXCO西日本に移管され、2025年3月30日から再び有料道路に移行することになったのである。

通行料金は、普通車で280円。無料化前の有料道路時代の通行料530円と比べ、ほぼ半額に設定された。

4車線化の工事がかなり進んだ昨年11月、ちょうど福岡市から筑豊へ向かう用事があり、福岡空港で借りたレンタカーでこの八木山バイパスを通った。

国道201号線の旧道は、標高227mの八木山峠をヘアピンカーブで抜けるが、こちらは緩やかな坂道とカーブで峠を迂回する。3月に4車線化するのは、「篠栗IC~筑穂IC」間の5.7kmだが、いずれは全線が4車線化されることになっている。

これまで対面走行だった福岡側と筑豊を結ぶ筑穂トンネルは、すでに新トンネルが開通し、追い越し車線側の整備が進んでいた。

また、筑穂ICから東の区間でも工事が始まっていた。九州でドライブ中にラジオの交通情報を聴いていると、八木山バイパスの渋滞の状況がしばしば耳に入ってくるが、今後はその名を聞く機会も減るかもしれない。

高速道路と一般道路の中間の役割を果たすバイパス道路

これまで述べてきた2つの例に加えて、特に大都市近郊で慢性的な幹線道路の渋滞を避けるために、大規模なバイパス道路の整備が進められてきた。

高速道路ではないが、一般道よりも走行しやすい無料の道路は、地味ではあるが、地域住民や高速道路の通行料を節約したいドライバーにとっては、「救いの神」である。

東京近郊では、埼玉県越谷市から栃木県宇都宮市まで、国道4号線のバイパスとして建設された新4号国道がよく知られている。総延長はおよそ80kmで、片側3車線化された区間も多い。

一方、関西では国道2号線に並行して走る加古川バイパス、姫路バイパス、太子竜野バイパスと連続する3本のバイパスが、第2神明道路(この道路は有料)から続く無料の高規格道路群として、よく知られている。

この区間には高速道路の山陽自動車道もあるが、三木市や小野市など、かなり内陸を走っているため、人口密集地帯で工場なども多い沿岸部の移動には、このバイパス群の方が利用価値は高いだろう。

このように、日本の道路は、高速道路と一般道の間に、高速道路に準じるような高規格の道路が整備されることで、その隙間をうまくカバーしている。

名豊道路の全通に合わせ、一度は浜松から名古屋まで無料のバイパスで走ってみたいものだ。

佐滝 剛弘:城西国際大学教授

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