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ヤギ5頭飼って知った「意外と戦闘的」な食事風景 「頭突きで草の争奪戦」見守る日々をイラストで

東洋経済オンライン / 2025年1月17日 16時0分

ヤギたちにあげるために刈り取る草が濡れたものばかりになるのはどうやら好ましくないようで、干し草をあげると待ってましたとばかりにむしゃぶりついてくる(写真はイメージです:LuboIvanko/PIXTA)

小豆島で暮らす文筆家・イラストレーターの内澤旬子さんは、庭の除草のためにヤギを飼い始めたものの、いつしかヤギ好みの雑草・雑木を求めて島中を探し回ることに……。

5頭のヤギたち(カヨ、茶太郎、玉太郎、銀角、雫)との暮らしを綴った前代未聞のヤギ飼いイラストルポ『私はヤギになりたい』(山と溪谷社)から一部を紹介します。

戦闘的食事スタイル

7月の大雨は、小豆島では私が心配するほどの量にはならなかったが、晴れの日がとても少なかったためか、地面がグズグズになった。雨が降れば草は濡れる。

【イラストで見る】ヤギ5頭による「戦闘的食事風景」。頭突き合戦で会食ならぬ回食が繰り広げられる

ヤギたちにあげるために刈り取る草が濡れたものばかりになるのはどうやら好ましくないようで、干し草をあげると待ってましたとばかりにむしゃぶりついてくる。濡れた草のなにが良くないのか、よくわからないままに、雨の日は干し草をたくさんあげるようにしている。

屋根のある部分はそう広くないので、刈ってきた草や枝葉を置く餌場は雨の当たる場所にある。晴れの日は良いのだが雨が続くと不憫である。干し草は屋根下のスペースにコンテナを並べて与えている。

餌場にも屋根をつけてあげたいのはやまやまなのであるが、なかなか難しい。原因は5頭の戦闘的食事スタイルにある。仲良くみんなで並んで食べてくれればいいのであるが、そんな状態は1分たりとて保持されたことがない。

トラックの荷台に山盛り積んできた餌を私が両手で抱え、何往復もしてヤギ舎に運び入れるのであるが、まずは一番大きな角を持つ茶太郎が最初に駆け付け、一番美味しそうな草や枝に齧り付く。

もし誰か他のヤギが先に駆け付けていたとしても、頭突きして追い払って最新の食事を一番に摂る。カヨは群れのリーダーなのだが、純粋な喧嘩では茶太郎に敵わないので、一歩引いた形で次点の立ち位置を確保する。

たいてい1回目に持ってきた草は、茶太郎とカヨに占有され、他の3頭は頭突きされないような角度から首を伸ばして草をつつこうとする。玉太郎などは私の脇をすり抜けて外に走り出て、軽トラの荷台に飛び乗って抜け駆け早食いを決め込む。

早く第2の山を持ってきてやろうと、軽トラに戻り荷台から玉太郎を引きずり降ろす。草や枝を両手いっぱい抱えてヨタヨタ速足でパレス(編集部注:カヨを筆頭にヤギたちが暮らすビニールハウス:通称カヨパレス)に入ると、茶太郎とカヨはすぐに目移りして新しい草に群がろうとする。どっちも食べようとするのだ。

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