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「歯石取りは痛い」と疑わない人が知らない真実 最後に「すっぱいもの」を食べる人は要注意

東洋経済オンライン / 2025年1月18日 16時0分

これを防ぐには、食事の順番を工夫することです。私がイエテボリ大学歯学部の短期研修を受けたとき、予防歯科の第一人者ピーター・リングストロム教授が朝食を食べる順番を次のように解説しました。

「コーンフレークとミルク」「オレンジジュース」「パン、チーズ、紅茶」を食べるときです。

① 「コーンフレークとミルク」「オレンジジュース」「パン、チーズ、紅茶」

② 「コーンフレークとミルク」「パン、チーズ、紅茶」「オレンジジュース」

①の順番で食べたときは、食後すぐの歯磨きは「問題なし」とのことでした。一方、②の順番で食べたときは、食後すぐの歯磨きは「問題あり」とのことでした。オレンジジュースは酸性なので、口の中はしばらく酸性になっているからです。

①もオレンジジュースを飲んでいますが、その後に紅茶を飲んでいます。紅茶のpH値は5.7〜6程度で、最後が歯が溶ける臨界pH(pH5.5)より高い状態になるから「問題なし」となるわけです。

食後すぐに歯を磨きたいなら、食事の最後は紅茶やコーヒー、麦茶、緑茶など中性かアルカリ性の飲み物で終えるのがベターです。あるいはガムを噛んで、唾液の分泌を促進する方法もあります。唾液の作用で、口の中が早く中性になります。

酸蝕症から歯を守るには、飲み方を工夫するのも一つの方法です。ストローを使い、できるだけ歯に触れないようにすることで、リスクを減らせます。

また、お酒のpHは、種類によってかなり異なります。ワイン、日本酒やビールなどの醸造酒は、総じて酸性です。とくにワインのpHは低く、日本酒やビールがpH4程度なのに対し、ワインはpH3程度です。

逆に焼酎やジンなどの蒸留酒はpHが高く、なかでもジンは、商品にもよりますがpH8ぐらいのものもあります。理論上は、食事の最後にジンを飲めば口の中はアルカリ性になり、歯が溶ける心配はないことになります。

痛いと感じる歯石取りは歯の寿命を縮めている

歯科医院で行う口腔ケアの一つに、歯石取りがあります。歯石とは、プラーク(歯垢)が石灰化して硬くなったものです。いわばバイキンの「死骸」なので、じつは歯石自体に害はありませんが、歯石の表面にはプラークが付きやすく、放っておくと、歯周病の原因になります。歯石は歯ブラシで取ることはできず、歯科医院で取り除いてもらうことになります。

この歯石取りについて、「痛くて当たり前」と思っている人が少なくありません。私も患者さんから「歯石取りで、歯をガリガリ削られて痛かった」という話をよく聞きます。

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