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茶系飲料「ルイボスティー」人気に火がついた裏側 南アフリカ原産の不思議な風味が日本人に浸透

東洋経済オンライン / 2025年1月18日 12時0分

2000年に「DAKARA」ブランドで誕生した当初はスポーツドリンク中心だったが、2012年に「GREEN DA・KA・RA」になってからは味も多様化して伸長。現在は年間約5000万ケースを販売する。近年の内訳では、麦茶がスポドリを上回る。茶系飲料、身体にやさしい、やさしい味わいといった訴求もルイボスの売り上げを後押ししたのだろう。

「同じノンカフェインであるやさしい麦茶は、夏が最盛期で10月以降は落ち込むのに対して、ルイボスは秋以降も落ち幅が小さく、冬でも安定して売れています」(同)

「新商品は2年目以降が本当の勝負」と言われるが、「やさしいルイボス」は2年目のジンクスもなく、2024年1~12月の売り上げは前年比約1.8倍超と好調なようだ。

人気ラーメンチェーン「一風堂」では、ルイボスを水代わりに提供している。こってり系の料理との相性もいいようだが、購入時間帯にも特徴があるという。

「商品を買ってすぐ飲むことが多い自販機チャネルで見ると、13~15時の購入が多いのです。その理由は、①カフェインコントロール、②午後のもうひと踏ん張り、③無糖で赤い色も気分を上げてくれる――だと考えています」(井島氏)

以前、「茶系飲料市場は大きく分けて“緑色”(主に緑茶)と“茶色”(紅茶、麦茶、烏龍茶、ブレンド茶)が拮抗する」と聞いたことがある。その中でもルイボスは異質の色だ。

「茶系飲料でここまで赤いのはあまりなく、少しミステリアスな存在です。南アフリカ原産なのを知らなくても、気分転換にはいい“異国感”を感じることができます」(同)

冬の季節には、温めても飲みやすい。秋冬も一定の売り上げが維持できるのは、夏の定番イメージがないのが幸いだったかもしれない。

「飲料で健康になりたい」は昔からあったが…

ルイボス人気を調べてみると、ノンカフェイン以外にも、産婦人科での推奨(※)やSNSでの口コミにより、ルイボス=健康によいという認識が広まったこともあるようだ。

(※)妊活効果への期待もあるが、ポリフェノールが含まれるため、妊娠期の摂取には注意したい。

ところで、茶系飲料を飲むことで「健康を維持したい」「美容効果を高めたい」という思いは、これまで何度もあった。一時的に話題を呼んでもやがて失速した例も多い。ルイボスはその轍を踏まないのだろうか。

「まず、『GREEN DA・KA・RA やさしいルイボス』はトクホ飲料のような健康茶になるつもりはありません。あくまでも日常の喫食シーンに登場する飲料でいたいと思います。

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