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東京海上、次期社長に託された抜本改革と成長戦略 海外駐在の小池常務が「11人抜き」でトップに就任へ

東洋経済オンライン / 2025年1月18日 8時0分

小池氏(左)に東京海上の今後の成長戦略が託されることになった。右は小宮氏(記者撮影)

東京海上ホールディングス(HD)は1月14日、アメリカ駐在で中南米地域などを担当する小池昌洋常務執行役員(53歳)が、6月の株主総会を経て社長に昇格すると発表した。6年ぶりの社長交代で、小宮暁社長(64歳)は会長に就く。

【写真】”東京海上の松岡修造”と呼ばれ黄色い歓声が上がっていた小池次期社長

小池氏は小宮氏より11歳若く、入社年次も11年の差がある。

東京海上日動の役員を含めると「30人以上抜き」

東京海上HDによると、HDの役員としては11人抜きで、傘下の東京海上日動火災保険の役員を含めると30人以上のごぼう抜きでグループのトップに昇格するという。

東京海上日動では2024年4月、執行役員営業企画部長だった城田宏明氏が33人抜きで社長に昇格している。城田氏に続き、持ち株会社・東京海上HDにおいてもトップの大幅な若返りを図った真意とは何なのか。

小宮氏は報道陣からの問いに、「あくまで人物本位」とかわしたうえで、「国内事業、海外事業の両方に精通していなければいけない」と説明。HDと東京海上日動、それぞれの経営企画部長を務めており、海外駐在の経験も豊富なため、グループ全体を見渡す視野を持った小池氏が、次期トップとして最適だと判断したという。

小池氏は記者会見で、「若手時代のあだ名が『体育会系外国人』だった」と笑いながら話したが、その持ち味はコミュニケーション能力の高さだろう。上下関係を重んじながらも、時に小宮氏など上司に直言。担当する子会社の売却で、従業員が動揺するような状況では、部下たちに真正面から向き合ってきた。

東京海上が2018年に、再保険事業の中核子会社トキオ・ミレニアム・リー(TMR)の売却を決めたときには、当時の統括責任者として「円形脱毛症になりながら」(小池氏)も、従業員に丁寧に事情を説明し対話を繰り返したという。

そうした小池氏の誠実な姿勢を、小宮氏は高く評価していた。小宮氏自身も、現会長の永野毅氏からトップのバトンを受け取った際に、「スーパー誠実な人」(永野氏)との評価を受けている。

”東京海上の松岡修造”と呼ばれ、黄色い歓声も

組織マネジメントにおける基本姿勢として、小宮氏が自らに共通するものを小池氏から感じ取っていた部分もあるようだ。

小池氏の特技は38歳まで実業団に所属し打ち込んでいたバレーボール。

長身で引き締まった体格ということもあって、「TTK(担当課長)のときは、”東京海上の松岡修造”と呼ばれていた。避難訓練で社員が一堂に会したときには、軍手をはめただけで周囲から黄色い歓声が上がっていた」(東京海上日動のある幹部)という。

東京海上HDは昨年11月、建設コンサルティングのID&Eを買収することを発表。防災事業に本格進出するなど、持続的な成長に向けた戦略実行を足元で加速させている。

人望も兼ね備えた小池氏に、カルテルや情報漏洩といった不祥事で揺れる国内事業の立て直しと、海外をはじめとした成長戦略が託されることになる。

中村 正毅:東洋経済 記者

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