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「短大で"アイドル"を学ぶ」現地取材した驚く実態 「西短MP学科さくら組」の知られざる真実

東洋経済オンライン / 2025年1月23日 8時0分

「キラキラしているだけがアイドルじゃないということを、この2年間すごく感じ学びました。歌って踊って笑顔でいるってことはすごく大変で、どれが抜けていてもだめです。でも、どれだけ磨いても完成はしないし、アイドルは奥が深いです。今は何よりもお客さんをもっともっと笑顔にさせたいと思って、(卒業後も)プロのアイドルになることを選びました」(2年・あやかさん)

あやかさんは地元でアイドルを続ける決断をしたわけだが、学びとしてのアイドル「西短MP学科さくら組」は決してアイドル予備軍でもなくプロのアイドル育成の場でもない。

はたして「アイドル育成学科」なのか

取材前は私自身も、ともすれば「アイドル育成学科」なのではないかという考えもあったが、取材を通して決してそうでないことがよくわかった。

彼女たちはプロではないので、決してファンの動員数や売り上げを競ったりはしない。しかし、人前に出てパフォーマンスする以上は、決して手を抜くことはなくしっかりとアイドルとして演じきる。

アイドル未満と言ってしまえばそれまでだが、学科ではアイドルに必要なことを実技や座学を通して学んでいる。

声楽、演劇論、モデルウォーキングとさまざまだ。

通常のアイドルは、ライブをメインに空き時間にダンスレッスンやボイストレーニングが入るところが精いっぱいだが、彼女たちはあくまでも短大生。学ぶことがメインなので、芸能に必要な科目を履修して取り組んでいるというわけだ。

最後に今回の選抜メンバーで唯一の1年生であるなゆさんは、1年間アイドルを経験して何を感じているのだろうか。

「実際にステージに立ってみてファンの方が応援してくれてもっとアイドルをやりたいって強く思いました! でも演劇の授業なんかもあって俳優になるのも面白いなとも思って……。自分の中で可能性が広がった感じです」(1年・なゆさん)

アイドルの楽しさを感じつつも、それ以外の道もあることを現時点で確認しているところに、やはり学びとしてのアイドルであることがよくわかる。プロであれば、よほど人気があったり売り上げでの結果を残していなければ、決してアイドル以外の道は口にはしないだろう。

「私も高校まですごく消極的で、人前で話すことも苦手だったんですが、今はステージで表現できることがすごく楽しいですね。ほんとアイドルやり始めて変わったと思います」(1年・なゆさん)

選択肢としてのアイドル

なゆさんは来期は卒業する先輩たちを見送り、さくら組の主力メンバーとなるわけだが、それでも自身の将来にさまざまな可能性を残し、アイドルもそのひとつとして捉えている。

そして最後に、学生として学ぶアイドル、アイドル力に関して聞いてみた。

「ファンの方はもちろん、音響やスタッフの方、関わってくださるすべての人たちを笑顔にするのが私たちが考えるアイドル力ですね」(2年・森本凛風さん)

自信をもってそう答えた彼女に、みな真剣な表情で頷いていた。

西短MP学科さくら組はプロのアイドルではなく本分は学生でありプロ未満の彼女たちではあるが、その姿勢や考え方は、誰よりもプロでありアイドルとして輝いていた。

*この記事の続き:短大生が「学科アイドル」になって起きた衝撃変化

松原 大輔:編集者・ライター

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