中居問題の根底にフジのキャスティング至上主義 「大物を引っ張り出せるのが偉い」という時代錯誤
東洋経済オンライン / 2025年1月23日 12時0分
そのため、タレントとプライベートでも付き合いがあって、深い関係を作っているプロデューサーが評価され、出世しやすい傾向にあるのではないか。フジテレビのそういう体質が、今回の騒動を引き起こしてしまった要因の1つなのかもしれない。
たとえば、そんなフジテレビと対極にあるのがテレビ東京である。テレビ東京はほかの民放キー局に比べると歴史が浅く、ネット局も少なく、番組の予算も少ない。日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日とは明確に局としての力の差がある。そのため、人気のある大物タレントにはなかなか出てもらえなかったりする。
最近では、テレビ東京の視聴率も上がっていて、影響力も大きくなっているため、以前よりはその差は縮まっているが、いまだにそういう傾向があるのは事実だ。
そんな中で、テレビ東京は伝統的にキャスティング力よりも企画力から出発する番組作りを進めてきた。その中から「TVチャンピオン」「YOUは何しに日本へ?」「家、ついて行ってイイですか?」のような企画力に優れた人気番組が多数生まれた。
この手の番組であれば、大物タレントに頼らず、企画の面白さだけで視聴者を満足させることができる。テレビ東京は自分たちの弱みを逆手に取って、独自路線の面白い番組を作る局であるというイメージを定着させることに成功した。
一方、フジテレビは、1980年代に「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンを旗印にして圧倒的な人気を誇っていた。フジテレビでは面白いことができるというムードが広まっていて、人材も予算も集まってきた。そのような状況の中で人気タレントをどんどん起用することができたし、そのタレントパワーを生かした番組作りができた。
番組の中身は出演者任せ?
その後、フジテレビの勢いは徐々に衰えていき、視聴率も下降線をたどっていった。CMによる広告収入もどんどん減っていき、危機を迎えている。それでも、フジテレビのキャスティング優先の体質はなかなか変わらなかった。
それを象徴していたのが、2021年と2022年に放送された「FNSラフ&ミュージック」という特番だ。松本人志氏、中居氏、ナインティナインらの豪華メンバーがMCとして集まり、人気の芸人やアーティストが多数出演する生放送の大型バラエティ特番だった。
出演者の顔ぶれだけは贅沢だったが、トークパートでは企画の柱になるようなものがなく、中身は出演者まかせというところがあった。そのため、見た目の華やかさと実際の面白さが見合っていないように感じられた。
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