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人質解放「33対2000」を受け入れたイスラエル 自国の治安リスクよりも自国民の奪還を優先

東洋経済オンライン / 2025年1月23日 9時30分

【次段階のための交渉】
・双方は遅くとも停戦16日目までに第2段階についての条件を論じ始め、5週目の終わりまでに合意を形成する。
・実施条件に関する交渉が続く限り、戦闘休止という本段階の手続きは第2段階でも継続される。
・カタール、アメリカ、エジプトは、「双方が第2段階実施の条件について合意に達するまで、間接交渉が確実に継続されるようあらゆる努力を行う」ことで合意している。

▋第2段階(42日間)
持続可能な休戦(軍事行為と敵対行為の停止)が布告され、その後に人質・囚人交換を開始する。本段階で、生存する人質全員が解放される。それは、イスラエルに収監されているパレスチナ囚人の釈放およびガザ地区からのIDF完全撤退と引き換えに行われる。

▋第3段階(42日間)
・身元の確認がなされた後、両当事者間ですべての遺体が交換される。
・エジプト、カタール、国連などの国や組織の監督下で、ガザ地区内の住居、民間施設、公共インフラなどの復興や負傷者への支援を含む3~5年間のガザ復興計画を開始する。
・検問所を開放し、人や物の移動を促進する。

人質解放のスケジュール

〈停戦第1段階〉

1月19日 3人、1月25日 4人

2月1日 3人、2月8日 3人、2月15日 3人、2月22日 3人

3月2日 14人

〈停戦第2段階〉

3月2日~4月13日 29人(残りの全生存者)

〈停戦第3段階〉

4月13日~5月25日 35人(死者)

第1段階は3月2日に終了、第2段階は4月13日まで、そして第3段階まで停戦が履行されたなら5月25日が最終日となる。人質解放に応じて釈放されるパレスチナ囚人は合計約2000人となる。

停戦協定の中に「シャリート取引」という文言が出てくる。2006年6月、ハマスに属するテロリストがIDF兵士のギルアド・シャリート曹長を拉致した事件が発生した。粘り強い交渉の末、イスラエルは2011年10月にシャリート曹長を取り戻した。

1人対1027人「シャリート取引」

シャリート解放の条件は、1027人のパレスチナ囚人の釈放だった。1対1027の取引である。このとき釈放された囚人にはテロリストが多くいた。その1人がヤヒヤ・シンワルだった。

彼は釈放された後にハマスの活動を再開し、ハマス政治局のトップになった人物である。2023年10月7日、イスラエルへの越境テロ攻撃を主導したのがシンワルだった。

イスラエルは今回も33対2000という取引を受け入れた。2023年11月下旬の停戦協定では、人質1人に対して囚人3人の取引だったことを考えると、今回は数十倍の開きがある。

釈放した囚人が再び自国の治安を脅かすリスクを抱えたうえで、イスラエル政府が自国民を取り戻すことを優先した結果である。

谷内 意咲:ミルトス代表

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